今年も夏の甲子園が熱く盛り上がった。前評判通りに優勝候補が実際に優勝するということはそれほど多くはないように思われるが、今年に限っては、大阪桐蔭が圧倒的な強さで前評判通りの優勝となった。しかしなぜか、優勝校よりも準優勝校の金足農業のほうがはるかに脚光を浴びるという現象が起こった。判官びいきということもあろうが、公立校であるということと、県内出身者からなる純粋な県の代表校という意味合いも大きかったのであろう。
さて、今年のような猛暑だと、ほんとうに見ているだけでも暑い。野球はサッカーのような半そで半ズボンというわけにはいかないのだろうか、とふと思ったりもする。野球の場合、上半身も下半身も重ね着をしているのだ。上半身は見てわかる通り、アンダーシャツの上にユニフォームを着ている。下半身もたいていはスライディングパンツというひざ上くらいのアンダーと、ひざ下くらいの2枚重ねのタイツの上にユニフォームを着込んでいる。グラウンド上は40℃以上はあるであろう。まるで我慢大会だ。
今年などは、環境省から「運動は原則中止」との警告が出る毎日であったが、炎天下のもと普通に野球の試合をしていることに違和感を覚えなくもない。それでもまだ、我々世代が小中学生であった頃のように、「水を飲んではいけない」などという狂気じみた指導がないだけマシだが。
運動部活動の時間があまりにも長いので、今年の3月にスポーツ庁から「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が公表された。生徒もそうだが、顧問の先生方も、土日も部活動指導ということでは休みはないわけであり、それに対する指導の意味合いも大きい。
しかし、現場ではなかなかガイドラインが受け入れられる状況にはないようである。特に、野球の伝統校における野球部、サッカーの強豪校におけるサッカー部などは、変わる気配は微塵もないようだ。顧問の先生にしても、家庭生活を犠牲にしているような状況をなぜ続けるのであろうか。生徒や保護者からの要望が強いからということも、なかにはあるかもしれない。とはいえ、部活動の運営方針を決めるのは顧問の先生である。しかも、ガイドラインまで示されたにもかかわらずである。結局のところ、顧問の先生自身が率先して、長時間の部活動を続けているというのが、どうやら実態のようだ。
それはなぜか。その原因を探っていくと、「部活動大好き教師」は、企業における「仕事大好き上司」と共通点が多いことがわかる。相似形と言ってもいい。これらは以下の通り、3つに整理することができる。