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ホンハイ、シャープ売却説が再燃…テリー・ゴウ会長に翻弄される経営

文=編集部
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シャープ本社(「Wikipedia」より)

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は6月21日、定時株主総会を開き、創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が経営トップの董事長(会長)を退く人事を決めた。後継トップに就く劉揚偉氏を中心とする集団指導体制に移行する。

 ドナルド・トランプ米大統領は郭氏と5月1日、ホワイトハウスで会った。「総統選で郭氏を支持するかどうかは話していない」とトランプ氏は語り、「単なる仲の良い友達だ」とした。台湾メディアによると、郭氏は会談で「2020年1月11日に投開票される総統選に、最大野党の中国国民党から出馬する意向をトランプ氏に伝えた」という。

 郭氏の台湾・総統選への出馬の発表を受けて、ウィスコンシン州のトニー・エバーズ知事は4月17日、鴻海が同州で1兆円強を投じるとしていた工場建設への優遇策などの支援を見直すと、ロイター通信が伝えた。中国国民党は親中国とされている。

総統選に出馬表明

 郭氏が4月17日、台湾総統戦への出馬を表明したことで、シャープの経営への影響に関心が集まっている。郭氏は中国国民党の予備選で同党の総統候補に指名されることを目指す。

 郭氏はどんな人物なのか。1974年、23歳で鴻海プラスチックを創業。80年代後半から中国に生産拠点をつくり始めた。2007年、米アップルの初代iPhoneの生産を委託されたことから急成長を遂げる。スマートフォンなどを中国工場で大量生産し、一代で売上高19兆円、従業員100万人の世界最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)企業に育てあげたカリスマ経営者だ。

 政治好きでも知られる。2016年にも国民党から総統選へ出馬すると取り沙汰されたが、実現の可能性は低いとみられてきた。実際に出馬すれば、経営の第一線から退く必要が出てくるからだ。鴻海の経営にかかわれなくなるというのは、郭氏にとって総統選出馬の高いハードルだったはずだ。

「まさか本当に出馬するとは」。郭氏の出馬表明のニュースが流れると、シャープの社内に衝撃が広がった。

 郭氏は4月9日、習近平国家主席に近い広東省トップの馬興瑞省長をシャープの東京支社に自ら迎えた。シャープの戴正呉会長兼社長とともに超高精細の映像技術「8K」や、折り畳み式スマートフォン向けに開発中の曲がるディスプレーの試作品を披露した。多くのシャープの幹部が居並ぶ前で、郭氏は「経営の一線から退く」考えを示唆した。奔放な発言で知られる郭氏なので、この時、幹部らは退任を本心とは捉えなかった。

BusinessJournal編集部

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