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昆虫の殻を利用した反重力装置で、空中飛行に成功…地球の引力を離脱、不可視の円筒形空間

文=水守啓/サイエンスライター
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空を飛んだヴィクトル・S・グレベニコフ教授

 前回、ロシアの天才昆虫学者ヴィクトル・S・グレベニコフ教授があらゆるものを貫通する「空洞構造効果」を発見したことについて触れた。その空洞構造効果には、重力に影響を及ぼしうる種類のものも含まれており、1988年にグレベニコフ教授はある昆虫のキチン質殻には反重力効果があることを発見した。また、反重力が作用する重力場に存在する物体は、完全または部分的に視覚できなくなるか、ゆがんで見える現象も発見した。

 そんな発見に基づいて、彼は最高で(理論上)時速1500kmというスピードで飛行可能な反重力プラットフォームを製造した(写真参照)。そして、1990年以来、彼は高速移動のために、その装置を利用してきたという。

昆虫の殻を利用した反重力装置で、空中飛行に成功…地球の引力を離脱、不可視の円筒形空間の画像1

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 証拠とされる写真も存在するが、大半の人は「そんなのウソに決まっている!」と思うだろう。誰もが馬鹿にしたくなるほどシンプルな装置に見える。だが、筆者はグレベニコフ博士の深遠な研究内容とプラットフォーム内に仕込まれたモノ(甲虫の殻)の特性を研究するにつれて、まったく馬鹿にできない仕掛けが隠されていたことを知るに至った。

 概略を述べた2回分の記事だけでは理解が難しいものと思われるが、まずは、1990年3月17日にグレベニコフ博士が行った初飛行の様子を紹介しよう。のちに、それは大変危険なものだったと彼は回想している。

初飛行

 グレベニコフ博士は暖かい季節になるまで待ちきれず、広い砂漠まで出掛けることもしなかった。プラットフォームから伸びるポールの付け根部分右側のベアリングがときどき引っ掛かったが、それもすぐに直さなかった。真夜中にさしかかる頃、誰もが眠りについていて、目撃されることは決してないと考えた彼は、農業科学アカデミーの敷地内で飛行を始めた。

 離陸は上々だったが、数秒して、ビルの窓が足下に見える高度に達するや、彼は目眩に襲われた。すぐに着陸すべきであったが、空中をさ迷い続けた。そして、強烈な力が彼のコントロールを失わせ、町の方向へと引っ張っていった。

 この予期せぬ、制御不能の力のなすままに、彼は都市部にある9階建てのアパートを横切り、雪の残る空地を通り、ハイウェイへと向かっていった。暗く広大なノボシビルスクが近くに迫っており、さらに速度を増していた。悪臭を放つ、背の高い工場の煙突群が近づいていた。すぐにも何かせねばならなかった。

 ついに、彼はパネル・ブロック部の緊急調整を行い、水平方向への動きは緩んだ。しかし、再び気分が悪くなってきた。4回目のトライでようやく水平方向への動きは止まり、工業地区であるザツリンカ上空に留まった。彼の足下にそびえ立つ不吉な煙突は、静かに悪臭を放ち続けていた。

 彼は2~3分休んで、農業科学アカデミーのキャンパス方向ではなく、右の空港方面に滑走した。ひょっとして誰かに見られているかもしれないと考え、行きと同じルートを避けたのだ。そして、空港方向に少し進んでから、彼は方向を変えて自宅に戻った。

 翌日のテレビと新聞の報道は驚くべきものであった。「ザツリンカ上空にUFO」「また宇宙人か?」といった見出しがおどった。彼の初飛行が見つかってしまったのだろうか?

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不可視のフォース・フィールド

 結局、ニュースでのUFO目撃事件とグレベニコフ教授の初飛行とは無関係だった。しかし、彼は自分の軽率な行動を反省した。そもそも、こんなテクノロジーの開発よりも、昆虫保護区での研究のほうが彼にとっては重要だったからだ。

 とはいえ、彼が目撃されなかった理由は偶然ではなかった。かなりの高速で飛行していたにもかかわらず、彼は風の影響を受けていなかった。彼の分析によると、プラットフォームのフォース・フィールドが周囲の空間を上向きに切り取ると同時に、地球の引力とも切り離し、不可視の円筒形状空間をつくりだす。しかし、彼自身と周囲の空気はそのままその切り取られた円筒形状の空間内に留まる。それによって、自分が視覚されなくなるのだろうと彼は考えた。ただ、そのフォース・フィールドは体をわずかに覆う程度のものであった。というのも、彼が頭を少し前にせり出せば、すぐにも強烈な風で髪が乱されたからである。

 視覚性に関しては、あえて人に近づいて、自分が目撃されるかどうか何度も試みている。森の端で遊んでいる3人の子供たちに至近距離まで降下して近づいてみたこともあった。ほとんどの場合、プラットフォームと彼自身の影も投射されず、彼が気づかれることはなかった。

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 そのメカニズムを考察する前に、操縦方法について簡単に言及しておきたい。操縦方法を知ることで、動力源となる甲虫の殻の特性も見えてくるからである。研究家のジェリー・デッカー氏は直接グレベニコフ博士に問い合わせを行っており、次のような回答を得ている。

 写真のように、ハンドル部分から2本のコードが下に伸びているが、それらはオートバイのクラッチとブレーキのようなものである。片方が前方にある翼板を制御し、もう一方は後方の翼板を制御する。前後両方の翼板を全開にすると、真上に急上昇する。前方に水平移動する際には、前方側の翼板を半分閉じる。それによって前傾して、「前方に落ちる」感覚で、前進可能となる。上昇する高度や、浮上させる重量の調整は、内部に埋め込まれた昆虫の殻の数で決まってくる。ちなみに、グレベニコフ博士は、高度300メートルまで上昇できるだけの数の昆虫の殻を入れていたという。

筆者の推論

 さて、「昆虫の殻」という表現をしたが、これは具体的になんだったのか? それは、前回触れたヒメバチに分類されるBathyplectes anurusの繭(まゆ)だったのだと推測する者もいるが、デッカー氏を含めた研究者の多くは、甲虫の殻で、おそらく六角形をしたものと考えている。

 肝心のプラットフォームの底部であるが、筆者も十数年前に推測を試みたため、それをご紹介しておきたい。

 おそらく、プラットフォームの前半分と後半分の底部は内部が繰り抜かれている。それぞれの内部には、折りたたんでもせいぜい高さ2センチ程度の蛇腹か互いに向き合うことが可能なブラインドのようなもの(翼板)があって、その表面上向きに甲虫の殻が取り付けられている。というのも、プラットフォーム自体の厚みが4~5センチと考えられるため、内部を繰り抜かれても、最低限人が乗れる強度を保てる空洞を考える必要があるためだ。前後両方の蛇腹を全開にすれば、より大きな速度で上昇する。前方の蛇腹を半分閉じると、上向きではなく、斜めに甲虫の殻が向き合い、互いに反重力効果を半分程度打ち消し合う。それによって、前方に傾いて前進する。

 ハンドルでの操作は、オートバイのようにグリップの部分を回すことによって、蛇腹の開閉を調整していく。高度を下げる際は、前後両方の蛇腹を同じように閉じていく。地上での着地状態では、蛇腹がぴったり重なり合って、すべての力を打ち消し合う状態になる。基本的にこのような仕組みがプラットフォームの底部にあったと思われる。

 しかし、これだけでは、左右方向の動きが調整できない。そこで、左右には、やはり甲虫の殻を表面に貼り付けた平たい棒のようなものを、回転できるようにそれぞれ取り付ける。両方とも右に向ければ、右に飛ぶ。互いに向き合わせれば、左右の動きは打ち消しあう。そして、両方とも上に向ければ、さらに上昇を助けることになる。この部分は、ハンドルのグリップ部分とは別のところで操作したのだろう。また、若干の回転なら、体を動かすことでも対応できたかもしれない。

 なぜそのようにしなければならないのかと言えば、空洞構造効果を起こす物体の前に板や金属等を置いて遮断しても効果が薄れないからである。つまり、互いに力を打ち消し合うことを行わない限り、コントロールできなくなってしまうのだ。ただし、これはあくまでも筆者の推測であることをお断りしておきたい。

 グレベニコフ博士は、特定の甲虫の殻が有する複雑な構造が反重力効果を導いていることに気づいたものの、なぜどのようなメカニズムで反重力効果が発揮されるのかについては、残念ながら理解することはできなかった。また、その複雑な構造を人工的に再現することも叶わず、彼は実物の甲虫の殻を動力源に用いた背景があった。

秘密にされた謎は必ず解ける?

 グレベニコフ博士は、主に2つの理由でこの反重力プラットフォームをずっと秘密にしてきた。

 第一の理由は、真実を証明するためには時間と労力を要するからで、彼はそのいずれも持っていないと考えていた。第二の理由は、唯一シベリアに生息するある種の昆虫を利用したからである。もしその昆虫の名前を具体的に公表してしまえば、誰もがその奇跡の昆虫を捕まえようとして、すぐに絶滅の危機に遭うだろうと彼は恐れていた。唯一わかっていることは、シベリアに生息する甲虫1100種のうちのどれかの殻を使用したということである。

 その後、1999年頃からグレベニコフ博士は体調を崩して入院した。お気づきの方もいるかもしれないが、彼は反重力効果を生み出す強力な電磁波・放射線を浴びていたのである。入院の間、彼は多くの人々から取材を受けたが、具体的な昆虫の名前は決して明かさなかった。また、空飛ぶプラットフォームも、自分自身でハンマーを使って粉々に破壊してしまったという。そして、2001年4月、彼は74歳にしてこの世を去った。

 グレベニコフ博士の死によってこれは完全に迷宮入りしてしまったのだろうか? それは否である。彼の反重力プラットフォームのことが知られるようになってから約20年が経過したが、その間、さまざまな研究家がその昆虫を探し、研究を行ってきた。代替科学の研究者である筆者も、当事例だけに注目してきたわけではないが、反重力にかかわるさまざまな事例を含め、主に自然がもたらす神秘的な現象に関心を持ち、その有効活用を考えた研究を行ってきた。

 そんな関心分野を限定しない姿勢からか、筆者はある時、当事例の技術的な解釈に役立つ大きな発見を行った。シベリアに生息する昆虫の具体的な名前はわからないが、どのような構造と特性を有する外皮からなる甲虫を選べば、どのような条件でどのような現象が起こり、特別で強力な(電)磁場が形成されるのか、理解できるようになったのである。多額の資金が必要とされるため、残念ながらその研究に着手できないままでいるが、それでも重要なのは、条件に合う昆虫を見つけ出すことではなく、人工的に代用品をつくり出し、その昆虫を見つけ出す必要性をなくすことだと思われる。

 グレベニコフ博士の反重力プラットフォームを疑う人は多い。しかし、筆者は個人的な研究を通じて、その現実味を実感している。また、特別な昆虫の殻と酷似した原理を利用した反重力装置が古代エジプトやチベットにも存在していた可能性が高いことに筆者は気づいた。自然の中には、現代人がなおも気づかない高度な科学的知識が埋もれている。特に、昆虫の世界はその宝庫である。

 グルベニコフ博士が残した興味深い言葉がある。

「6本足の友達なしに我々は何もできない。自然と共に生きれば、似たような装置はすぐに手に入れることができる。自然を守らなければ、もちろんそのような装置も手に入らない」

(文=水守啓/サイエンスライター)

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水守啓/サイエンスライター

水守啓/サイエンスライター

「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動等を行っている。

著書に『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の謎/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研プラス)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』、『世界を変えるNESARAの謎』(明窓出版)などがある。

ホームページ: Kei Mizumori's Official Web Site

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