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小早川隆治「日本のクルマづくり~さらなる志・凛・艶・昂を目指して~」

日産スカイライン、目標上回る売れ行き…世界初「プロパイロット2.0」は日本の技術財産に?

文=小早川隆治/モータージャーナリスト
日産スカイライン、目標上回る売れ行き…世界初「プロパイロット2.0」は日本の技術財産に?の画像1
日産の「スカイライン」(「日産:スカイライン [ SKYLINE ] セダン Webカタログ トップ」より)

スカイライン」はプリンス自動車工業時代の1957年に初代が導入され、日本を代表するモデルの1台になったが、日産自動車とプリンスの合併後も、日産のイメージリーダーカーとして継続されてきた。

 私がマツダで3代目「RX-7」の開発責任者だった頃に導入された「R32 GT-R」はRX-7プロジェクトで早速購入し、一般道はもちろん、サーキットも含めて思う存分に試乗した。RX-7の目指す方向とは異なるものの、ポテンシャルと志の高さにプロジェクトメンバー全員が敬服し、非常に大きな刺激を与えてくれた思い出深いモデルだ。

新型スカイラインの概要

 このたび導入された新型スカイラインは、2014年に導入された第13代モデルのビッグマイナーチェンジ版で、ベースモデルと、その高性能バージョンの400Rには日産製の3LのV6ツインターボエンジンが搭載され、400Rバージョンはスカイライン史上最強の400馬力を実現。「プロパイロット2.0」が標準装備されるハイブリッドモデルは、3.5L V6の自然吸気エンジン(最高出力306馬力)に出力68馬力のモーターが加えられる。

 価格は、ベースモデルが420万~480万円台、400Rが552万円、ハイブリッドが570万~600万円台だ。

 デザインはフロントに日産ブランドの象徴「Vモーショングリル」、リヤコンビランプにスカイラインのアイコンともいえる「丸目4灯」を採用、これまでのモデルに比べて一目でスカイラインとわかるデザインとなった。

 今回の試乗の焦点はプロパイロット2.0で、走行条件も高速道路に限定されていたが、動力性能はモーターアシストに加えてエンジンのレスポンスも良くスムーズ。ハンドリングもステアリングの動きを電気信号に置き換え、ステアリングアングルアクチュエーターを作動させてタイヤを操舵するシステムが貢献してか、非常にスムーズかつリニアーで、乗り心地もなかなか良好だった。

日産スカイライン、目標上回る売れ行き…世界初「プロパイロット2.0」は日本の技術財産に?の画像2

日産スカイライン、目標上回る売れ行き…世界初「プロパイロット2.0」は日本の技術財産に?の画像3 スカイラインの国内販売台数はピーク時には年間10万台を超えたようだが、その後次第に低下、現在では大半がインフィニティブランド(日産が展開する海外向け高級車ブランド)のもと、海外で販売されている。国内のセダン市場は極端に縮小したため、新型スカイラインも国内月販計画が200台前後と少ないのが残念だが、今回の性能向上やプロパイロット2.0(現時点でその他のモデルには搭載されていない)にも起因してか、目下目標を大きく超える受注を受けているようで、今後の販売がどのように推移するかは興味深い。

世界初の「プロパイロット2.0」

 ハイブリッドモデルに標準装備される「世界初」の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」は、「3D高精度地図データがあり、中央分離帯があり、制限速度内」ならば、ドライバーが完全にハンドルから手を放した状態での(ハンズオフ)走行が可能だ。

 さらに、前方の車両の速度が遅い場合にシステムが追い越し可能と判断すると、ディスプレーと音でドライバーに追い越しを提案、ドライバーがハンドルに手を添えてスイッチ操作するだけで、右側への車線変更を自動で行い、追い抜きが完了すると同様の操作で元の車線に戻ってくれる。今回は体験できなかったが、停止保持機能が3秒から30秒になったメリットも大きそうだ。

小早川隆治/モータージャーナリスト

小早川隆治/モータージャーナリスト

1941年生まれ。学習院大学卒業後、東洋工業(現マツダ)に入社。RX-7&モータースポーツ担当主査、北米マツダ副社長などを務める。退職後、モータージャーナリストとして活動。日本自動車研究者ジャーナリスト会議監事。

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