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伊藤詩織さん勝訴、山口敬之氏が会見で自己弁護連発…逮捕中止で安倍政権の関与が焦点に

文=編集部
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ジャーナリストの伊藤詩織さん(写真:AP/アフロ)

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBSワシントン支局長でジャーナリストの山口敬之氏から性的暴行を受けたとされる問題。12月18日、伊藤さんが1100万円の慰謝料を求めて起こしていた民事裁判に判決が下され、あらためて大きな注目が集まっている。

 報道によると、東京地方裁判所の鈴木昭洋裁判長は「伊藤さんは、友人や警察に被害を相談していて、性行為が意思に反して行われたことを裏付けるものといえる」と指摘した。その上で、山口氏の供述については「当時送信したメールと内容が矛盾し、核心部分について不合理に変遷していて信用性には重大な疑いがある」としており、山口氏に慰謝料など330万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 伊藤さんが性的暴行を受けたとされるのは2015年のこと。山口氏との会食後に意識を失い、性的暴行を受けたとして、準強姦容疑で警視庁に被害届を提出した。しかし、逮捕状が発行されながら直前で逮捕が取りやめになったと、のちに「週刊新潮」(新潮社)に報じられた不可解な件もあり、16年7月に山口氏は嫌疑不十分で不起訴に。伊藤さんは検察審査会に不服を申し立てたものの、同会からも不起訴相当との判断が下っていた。

 一方で、山口氏は安倍晋三政権について書かれた『総理』『暗闇』(ともに幻冬舎)などの著書を上梓しており、“安倍首相と懇意にしている記者”として知られているだけに、「安倍政権が不起訴に持ち込んだのではないか」との疑惑も生まれていた。

 山口氏の不起訴を受け、伊藤さんは17年9月に自らが受けた被害を実名で告発し、慰謝料を求めて東京地裁に民事訴訟を起こす。対して、山口氏は「月刊Hanada」(2017年12月号/飛鳥新社)で手記を発表し、「事実と異なるあなたの主張によって私は名誉を著しく傷つけられ、また記者活動の中断を余儀なくされて、社会的経済的に大きなダメージを負いました」「詩織さん、あなたは性犯罪被害者ではありません」と性的暴行を否定。伊藤さんが民事訴訟に打って出たことで「徹底的に闘う」と記し、名誉毀損を理由に損害賠償1億3000万円と謝罪広告を求めて反訴した。

 12月18日の判決では、伊藤さんの勝訴とともに山口氏の反訴が棄却された。この判決を踏まえて、映画作家の想田和弘氏はツイッターで「合意のないまま性行為をしたことが認定されても民事だから刑事責任が問われないのってどうなのよとも思います。要は不起訴処分がおかしいってことですけど」と言及。

 前新潟県知事で弁護士の米山隆一氏もツイッターで「控訴されるでしょうがそれにしてもこの案件で逮捕・起訴がない事は可成異様に感じられます。刑事司法迄もが権力で歪められるなら日本は最早法治国家ではありません」と指弾している。

 ネット上でも、「民事では賠償命令、刑事では不起訴っておかしくない?」「そもそもなんで不起訴なの? 今からでも逮捕されてほしい」「不起訴相当という結論に政治家がかかわっていないか、調べ直すべきだと思う」といった声が相次いでいる。

 判決を受けて、山口氏の古巣であるTBSも18日の昼のニュースで「元社員の在職中の事案であり誠に遺憾です」というコメントを伝えている。

 一方、山口氏は同日に記者会見を開き、判決について「内容にはまったく納得できません」「すぐに控訴する」「私は法に触れる行為はしていません」と反論、自らの潔白をあらためて強調した。

 これに対して、ネット上では「往生際が悪すぎるし、見苦しい」「既婚者でありながら行為をしたことには変わりないだろう」「まず伊藤さんや家族に詫びるべき」「立場的に引くに引けないんだろうけど、家族が恥ずかしい思いをするだけだからこれ以上はやめたほうがいい」「人を深く傷つけておいて自己弁護の言葉ばかり……山口氏もジャーナリストを名乗る人間なら、少しは良心の呵責とかないのか。同じ日本人として恥ずかしい」との声が上がっている。

 今回の判決は今後、2人にどのような影響を与えるのか。そして、すべての真相が明らかになる日は来るのだろうか。

(文=編集部)

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