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多くの中国人、新型肺炎拡大知らず…24日から中国人が大量来日、感染を防ぐための注意点

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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「Getty Images」より

 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか外務省は1月21日、中国を対象に渡航の際に十分な注意を呼びかける「感染症危険情報レベル1」を発表した。これに伴い、日本政府は武漢市からの入国者に対し健康状態を確認する質問状を配布するなど水際対策を強化する姿勢だ。

 しかし、中国からの帰国者によると、日本と中国では新型コロナウイルスに対して大きな温度差を感じるという。

 ある帰国者によると「私が滞在している時は、中国では新型コロナウイルスを知らない人もいました。私も中国ではほとんど新型コロナウイルスのニュースは見ませんでした。日本の友人に『大丈夫?』と言われてから、世界的に話題になっていることを知り、恐怖を感じました」(30代ビジネスパーソン)

 中国では、21日になって新聞の1面で取り上げられ、ようやく関心が高まり始めたという。このように聞くと、中国では新型コロナウイルスについて「情報統制」がなされていたのではないかという疑念を抱く。それは、2003年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が感染拡大した際に情報隠蔽した過去があるからだ。SARSは、世界中で約8000人が感染し770人以上が死亡した。中国当局が感染拡大の事実を数カ月もの間、隠蔽しために対処が遅れたことで事態の悪化を招いた。

 世界的な感染拡大が懸念される新型コロナウイルスの感染者は570人、死者は17人に上ったと中国の国家衛生健康委員会は23日に発表した。中国以外でも感染者はタイ、韓国、日本、アメリカに拡大している。

 そんななか21日、中国保健当局の専門家チームが新型コロナウイルスの感染源について言及した。タケネズミやアナグマから発生した可能性が高く、中国武漢市の海鮮市場では日常的に販売されていたという。そして22日、中国政府は会見でヒト→ヒトへの感染が明らかになったとし、さらにウィルスが変異し感染力が強まる可能性があることも示唆した。中国では1月24日から30日まで春節を祝う大型連休に入る。

 感染の震源地となっている武漢では、市民約1100万人の移動を制限する異例の措置に踏み切った。だが、他の地域からは日本へ旅行にやってくるとみられる。昨年はこの時期、約72万人の中国人観光客が日本を訪れた。春節に備え、個人レベルでも対策を検討する必要があるだろう。とはいえ、過度な反応は不要と思われる。なぜなら、判明している感染者の例から、「濃厚な接触」が感染につながっていると考えられているからだ。むやみに騒ぐのではなく、冷静に対処すべきだろう。

 現段階では、新型コロナウイルスに感染した場合、特効薬はなく、発熱、咳など一つひとつの症状を抑える対処療法をしながら自己免疫による回復を待つしかない。普段から自己免疫を整えるよう体調管理と感染防止の手洗い、うがい、人混みを極力避けるといった自己防衛を心がけてほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

【完了】市販の風邪薬、自己判断での服薬はこんなに危険…小児・緑内障患者などは要注意の画像2吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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