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ネットカフェ難民4000人が“家”消失の危機…小池都知事の休業要請、なぜ美容院は営業OK?

文=編集部
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休業要請を発表する東京都の小池百合子知事(写真:ロイター/アフロ)

 4月10日、東京都の小池百合子知事が記者会見を開き、7日に発令された緊急事態宣言を受けて、休業実施を要請する対象業種を発表した。ナイトクラブ、ダンスホール、バー、ネットカフェ、カラオケボックス、ライブハウスなどの遊興施設をはじめ、大学、専修学校、自動車教習所、学習塾なども基本的に休止が要請された。

 期間は11日0時からで、休業に協力した事業者には50万円(2店舗以上を経営する事業者には100万円)の「感染拡大防止協力金」が支払われるという。

 一方で、医療、百貨店、ホームセンター、スーパーマーケット、居酒屋を含む飲食店や喫茶店、ホテル、銀行や証券取引所、銭湯や質店、理美容店などについては、「社会生活の維持に必要な施設」として営業を認める姿勢だ。ただし、居酒屋を含む飲食店については5時から20時までの間の営業とし、酒類の提供は19時までとするよう要請することも明らかにした。

 都の休業要請にネットカフェが入ったことについて、ネット上では「ネカフェ休業って無慈悲すぎない?」「そこで寝泊まりしている人たちはどうするんだろう」「明日からいきなり追い出されるの?」「東京から他県のネットカフェに大移動が始まりそう」といった声が上がっている。

 小池知事は、ネットカフェも休業要請の対象になったことについて「寝泊まりしている方々が多く、そこがクラスター化する恐れもある」と説明した上で、「行き場がなくなってホームレスになってしまう」ことも懸念していると語り、支援のための予算拡充も示唆した。

 すでに都は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う失業などで住居を失った人に対して、一時的な住居を提供するため、都営住宅や民間アパート400戸分、ビジネスホテル100室分の住居を確保する方針を発表しており、約12億円を投下する予定だ。一方、いわゆるネットカフェ難民は都内に1日当たり約4000人いると推計されており、「住居確保が500人分ではどう考えても足りない」「十分な施策とは思えない」と物議を醸していた。

 すでに、7日に緊急事態宣言が発令された後から、都内のネットカフェでは臨時休業する店舗も出始めていたが、都の休業要請を受けて、その動きが加速することは間違いない。そんな中、いまだ営業を続けている都内のネットカフェの店員は「(より強い)禁止などにならない限り、(11日以降も)今のところは営業する予定」と語ってくれた。

 また、ネットカフェで寝泊まりする人らが居場所を失う恐れがあることを見越して、すでに公明党が動き出している。同党の新型コロナウイルス感染症対策本部の高木美智代事務局長と、生活支援プロジェクトチームの山本香苗座長が9日、加藤勝信厚生労働大臣と面会し、住居喪失者への一時住宅の確保などに関する緊急提言を申し入れた。

 高木事務局長らは、「住居喪失者や一時的に避難が必要な人への一時住宅等の確保」「相談窓口の周知広報」「女性の住居喪失者への対応」「包括的な支援体制の構築」の4点について、国として最大限の支援を行うよう強く要請したという。

 また、小池知事の発表では理美容店は休業要請の対象外となったが、緊急事態宣言の対象地域である福岡県豊前市の美容院では新型コロナウイルスの感染者が5人確認されており、美容院でクラスターが発生した可能性を踏まえて、県が詳細を調査しているという。

 そのため、ネット上には「美容院はクラスターが発生しそうな『3密』環境なのに、なぜ対象外?」「散髪は不要不急にあたらないのか」といった声も上がっている。

「コロナ騒動後、従業員はマスク着用が義務付けられ、店の入口に消毒用アルコール液を置いて来店客に消毒を促すなど、対策は徹底しています。その上で、予約を調整し、席数を減らして、店内の人が一定数を超えないようにしています」(都内の美容院店員)

 悲喜こもごもとなった休業要請の顛末はどうなるのだろうか。

(文=編集部)

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