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片田珠美「精神科女医のたわごと」

なぜ女優・杏に母親は4千万円要求し裁判を起こした…娘からの“収奪”と霊能者への傾倒

文=片田珠美/精神科医
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 女優のさんが実母から訴えられていた骨肉裁判が、最近ようやく和解という形で終結を迎えたと「女性セブン」(9月17日号/小学館)が報じている。

「女性セブン」によれば、杏さんの個人事務所の社長を務めている母は、この個人事務所を娘が退社し、芸能事務所「トップコート」との直接契約に戻したことを不服として、裁判を起こしていた。

 杏さんの退社が“無効”だと主張する母は、杏さんが個人事務所の従業員であることの確認と、4000万円の支払いを求めたらしい。まず、杏さんがその後も20年間、個人事務所に在籍を続けた場合の利益を約12億円と想定し、そのうちの3000万円を補填するように求めた。それに加えて、調停の席で名誉を毀損したとして慰謝料1000万円も要求したのである。

 この裁判の原告である母が要求した内容を知り、杏さんが裁判で個人事務所について、「被告(杏)の努力によって得られた経済的な利益を原告(母)が収奪するという機能を果たしてきた」と主張したのも当然だと思わずにはいられなかった。

 もちろん、母には母の言い分があるだろう。父の渡辺謙さんが裁判まで起こして離婚した後、母と娘は多額の借金を抱えて共に苦労してきたうえ、よく似た容姿で、一時は“一卵性母娘”と周囲から言われるほど密接な関係だったらしい。だから、娘が個人事務所から退社したとき、母は信じられない思いだったのではないか。

 だが、「女性セブン」によれば、母は女性霊能者に傾倒し、個人事務所のコンサルタントとして、多額のコンサルティング料を支払っていたということなので、それに気づいた杏さんが独立を画策したのは賢明だったと思う。

親の所有意識と特権意識

 あくまでも一般論だが、精神科医としての長年の臨床経験から申し上げると、子どもの稼ぎを当てにし、子どもが働いて得た金銭をもらう権利が自分にはあると考える親は、「子どもは自分のもの」という所有意識が強いことが少なくない。子どもは自分の所有物なのだから、その子が稼ぐお金も当然自分のものだと思い込んでいるわけである。

 このような親の所有意識を変えるのは至難の業だ。それに、「自分は親なのだから、少々のことは許される」という特権意識が拍車をかけることもある。とくに、子どもを苦労して育ててきたと思っている親ほど、「あれだけ苦労して育てたのだから、それに報いてもらうのは当然」という意識が強いように見受けられる。

 杏さんの母は、渡辺謙さんとの離婚裁判で、夫の不倫相手として9人の女優の実名を挙げた。事実とすれば、夫の不倫にずっと悩まされていたわけで、自分が苦労したことへの金銭的見返りを娘に求めたとしても不思議ではない。その結果、杏さんが裁判で「収奪」と主張したようなことが起きたのかもしれない。

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