11月30日に55歳の誕生日を迎えた秋篠宮さまが、会見で長女・眞子さまのご結婚に対する考えを述べられたことで世間に波紋が広がっている。複数の報道関係者によると、この会見は20日に、東京・元赤坂の赤坂東邸で行われていた。その席上、記者団から相次いだ眞子さまのご結婚について、「結婚することを認めるということ」「本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきもの」と説明されたのだ。眞子さまが13日に公表された「お気持ち」に関し、改めてお考えを述べられたものだ。
加藤官房長官は24日の会見で「皇女創設」に含み
こうした一連の流れで、にわかに注目を集め始めているのが、政府が検討し始めた「皇女」創設の動きだ。秋篠宮さまの会見が行われた4日後の24日、加藤勝信官房長官は記者会見で「女性皇族の婚姻などによる皇族数の減少は先延ばしできない重要な課題だ」と述べ「さまざまな考え方があり、国民のコンセンサスを得るには十分な分析と慎重な手続きが必要だ」と語り、「皇女創設案」に含みを持たせていた。
同日、日本経済新聞インターネット版は記事『「皇女」創設を政府検討 女性皇族、結婚後も公務』を配信。同記事で、政府が検討する「皇女」創設の趣旨を以下のように説明していた。
「政府は皇室の公務の負担軽減策として、女性皇族が結婚した後も公務を続けてもらう制度の創設を検討する。特別職の国家公務員と位置づけ『皇女』の称号を贈る案がある。女性皇族が結婚後も皇室にとどまる『女性宮家』の創設は女系天皇の容認につながるとして当面見送る公算が大きい。
現行の皇室典範は女性皇族が一般男性と結婚した場合、皇族の身分を離れると規定する。現在、女性皇族13人のうち未婚なのは天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまら6人いる。結婚で皇籍を離れることが増えれば公務を分担できる皇族が減り、1人当たりの負担が増す恐れがある」
タイミング、内容ともに、このプランが眞子さまのご結婚に焦点を合わせたものなのは明らかに見える。全国紙社会部記者は話す。
「政府としては、眞子さまの『お気持ち』の公表後、秋篠宮さまがどのようなご意見をお話になるのか固唾をのんで見守っていたようです。20日の『ご結婚を認める』との会見内容を踏まえ、実質的な検討に入らざるを得なくなり、24日の官房長官会見で『皇女』の件をほのめかすことにしたんだろうというのが、現場の見立てです。
このプランの優れている点は皇室典範の規定を維持したまま、新たな制度を導入することができるということです。皇室の公務を遂行する特別職の『国家公務員』との扱いになります。一方でお相手の小室圭さんやそのお母様などがおかしな影響力を及ぼさないかどうか不明瞭な点もあり、眞子さまが『皇女』として公務をお続けになることに関して、与党自民党内からも慎重論がでているようです」
「皇女」プランを脅かす小室圭さんの存在
「皇女」が持つ「国家公務員」という肩書には多くの反発が予想される。結局、各種公務の原資が税金で賄われることが明らかなためだ。すでに、結婚一時金支出に関しても多くの国民から疑義はでている。そして、一連の騒動の原因になった眞子さまの婚約者・小室圭さんの借金問題に関する世論の風当たりは今なお強い。
「週刊現代」(講談社)は30日発売の12月5日号で、小室さんの母・佳代さんの元婚約者の男性が「もう私は小室佳代さんから、400万円は返してもらわなくていいのです」と語ったことをスクープした。これで、この問題にも方がつくように見えたが、世論の反発はそれとは逆に日に日に大きくなっている。
Twitter上では30日、以下のような発言が相次いだ。
「秋篠宮さまが眞子さま(29)の結婚を認めると明言された。
小室圭さん(29)との結婚
もう何も言いたくない、この結婚お好きになされば良いが国民の税金であるお金を絶対にあてにしないで頂きたい。眞子さまと小室さんは、借金苦で困っても国民に泣き付かないで欲しいです」(原文ママ、以下同)
「眞子さまと小室さんの問題って、個人の人権ももちろん大切だけれど、皇族としての品位が保てない皇室ならば、もう要らなくない?って人が増えてもおかしくないよって、問題なんだと思う」
「え、小室さんて無職じゃなかった?試験受からなかったらどうするの?一般家庭でも、収入の見込み立つまで許可なんかできないと思うし、これから新人として勤め始めたら持参金頼みの給料しか貰えないだろうし、眞子さま働かせられないだろうし、無理すぎない??」
自民党の若手衆議院議員は嘆息する。
「眞子さまがご結婚されるにしても、『皇女創設案』を実行に移すにしても、いずれ年明けでしょう。この状況下でそんな話を俎上に載せれば、有権者からの反発は目に見えています。ご結婚そのものに反対する声は多くはないでしょうが、すべてにおいてタイミングが悪すぎました。
まず新型コロナウイルス感染症が再び猛威を振るい、賞与がなくなったり、解雇されたりして、年末にかけて経済的に困窮を深めている国民が多数出ている状況下であること。ここ数年、マスメディアが煽り続けていた小室圭さんをはじめとする『特権階級』に対する憎しみが増していること。そして、その反発の対象がこれまでタブーだった皇室にも波及し始めていること。あらかじめ期限を切られていたとはいえ、このタイミングで『ご結婚を認める』趣旨のご発言をされても、なかなか国民一丸となって祝福する気運は高まらないでしょう。
(首相)官邸も一連の騒動でなんとか辻褄を合わせようと躍起になっているようですが、このままでは世論との乖離は進む一方です。上皇陛下はかつて東日本大震災、熊本地震と苦境にある国民に直接せられ、常に歩みをともにされてきました。僭越でありますが、皇室の皆様方には苦境化にある国民に今一度、思いを寄せていただき、また、そのお気持ちを行動で示していただくことを願ってやみません」
どのようなかたちになるにせよ、ここに至っては小室さんの記者会見は不可避だろう。今後の皇室のあり方をめぐる政府の動きと合わせて、成り行きが注目される。