NEW
松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

特捜部、亀井静香氏と森山・国対委員長も捜査か…吉川元農相の収賄疑惑、自民党全体へ拡大

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】

, ,

特捜部、亀井静香氏と森山・国対委員長も捜査か…吉川元農相の収賄疑惑、自民党全体へ拡大の画像1
「吉川 貴盛 公式サイト」より

 河井案里参議の昨年7月の参院選での公選法違反(買収)事件の捜査のなかで、自民党の吉川貴盛元農相の収賄疑惑が浮上した。臨時国会が閉会する予定の今月5日が過ぎれば、東京地検特捜部が吉川氏を収賄容疑で逮捕する可能性が濃厚となってきた。この事件をめぐっては、他の大物議員の関与も取り沙汰されており、東京地検の捜査の進捗に注目が集まっている。

1週間ほど前から雲隠れ

 報道などによると、この疑惑は広島県福山市に本社を置く鶏卵大手のアキタフーズが案里氏に多額の献金をしていたとして家宅捜査を受けた結果、特捜部が新たなカネの流れとして着目した。吉川氏には、農相を務めた2018~19年に3回にわたってアキタフーズから数百万円を受けとった疑惑が持たれているという。

 報道関係者によると、吉川氏はマスコミの追及をかわすためか、1週間ほど前から急に姿を見せなくなったといい、自民党農林部会などにも欠席していたという。吉川氏は2日に「持病として心筋梗塞を抱えていたが不整脈が先週見つかり入院した」という内容が書かれた本人名義の文書を弁護士を通じて発表したが、「誰も文字通り信じる人間はいない」(全国紙政治部記者)。

 吉川⽒は⼆階派の事務総⻑を務める重鎮だが、菅義偉⾸相が官房⻑官時代に主導したコメの減反⾒直しや農地中間管理機構の創設などの農業改⾰をけん引したことで菅氏と⼀気に距離を縮めた。「農相になれたのも菅⽒と近かったことが主な理由」(同)という。

 ただ、吉川氏は農相時代に「ひたすら官僚の用意したペーパーを棒読みするだけのマシーン」(同)であり、「とにかく二階のオヤジの前では平身低頭している半面、地元の有権者が陳情に来たらやたらにエラそうにしてひんしゅくを買っていた」(全国紙経済部記者)という。農相時代に存在感を発揮することができなかったばかりか、「豚熱のワクチ
ン投与の判断が遅く、感染拡⼤を招いた」(同)との批判が強い。

 さらに、農相時代に自民党北海道連会長として、地元の北海道道議選で周囲の反対を押し切って次男に公認を与えた上、政務秘書官として採用したことで「身びいきにすぎる」と地元の反発を招き、最終的に公認を取り下げざるをえなくなるという騒動があった。地
元政界での地位は盤⽯とはいえないが、地元の太陽光パネル建設の補助金をめぐる収賄疑惑も指摘されるなど「セコい金権政治家」(地元関係者)として鳴らしていたというわけだ。

 今後は故中川昭一氏、鈴木宗男参議と並ぶ北海道の有力議員として君臨していこうとの野心を燃やしていた矢先だっただけに、今回逮捕に至れば70歳という高齢もあり、政界復帰は絶望的だろう。

RANKING
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合