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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

コロナ、日本人口の20%が感染・抗体保有すれば終息?ワクチンと伝染病の意外な関係

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
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コロナ、日本人口の20%が感染・抗体保有すれば終息?ワクチンと伝染病の意外な関係の画像1
「Getty Images」より

 新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大に歯止めをかける「切り札」として、日本では2月下旬から、ワクチン接種がスタートする。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、イスラエルなどでは、すでにワクチンの接種が進んでいる。

 生体に免疫をつくらせる抗原を含む生物学的製剤をワクチンという。免疫とは、文字通り「疫=病気」を逃れるための反応で、その主役は血液中を流れる白血球だ。好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球=Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、マクロファージなどの種類がある。白血球は血液1立方mm中4000~9000個存在する。人間の血液量は体重の13分の1(リットル)であるから、約4~5リットル(4000~5000cc)。よって白血球は血液内に300億個くらい存在することになる。

 免疫と一言でいっても、大きく2つに分けられる。

コロナ、日本人口の20%が感染・抗体保有すれば終息?ワクチンと伝染病の意外な関係の画像2

 獲得免疫…Bリンパ球が抗原に対して抗体(免疫ブロブリン)というたんぱく質をつくって対抗する。抗体産生に1~2週間要する。

 1回抗体が産生されると2回目以降、抗原(細菌やウイルス)が侵入してきても、また抗体が抗原をミサイルのごとく攻撃して破壊するので、同じ病気には2度と罹らないか、罹っても症状は軽く済む。ハシカ(ウイルス)に罹ると2度は罹らない、といわれる所以(ゆえん)である。

 ワクチンは獲得免疫を働かせることによってその効果を発揮する、ということになる。

 痘瘡(天然痘)はエジプトのミイラにも痘瘡罹患の痕跡が確認されているなど、太古の昔から人類を苦しめてきた疫病である。痘瘡ウイルスに感染すると高熱が出て、全身の皮膚、粘膜に水痘状の発疹が現れる。

 痘瘡は近年までアフリカ、インド、パキスタン、東南アジア、南米では毎年数万人の人が罹患する風土病であった。しかし、WHO(世界保健機関)による徹底的な種痘(ワクチン)での撲滅作戦が成功し、1980年に根絶宣言が出されてからは地球上から痘瘡患者は皆無となった。

ワクチンの歴史

 種痘の考案・開発者はイギリスのエドワード・ジェンナー医師である。1796年当時、死亡率も高く、原因も不明だった痘瘡は悪魔の病気として恐れられていた。しかし、酪農家の間では発生が少なく、罹っても軽症で済むことが経験的に知られていた。ジェンナー医師は牛の痘瘡ウイルスを健康人に接種することを試みたところ、予防効果が認められた。これが ワクチンの始まりである。

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