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丸谷健太「だからゲームがやめられない」

『Among Us』日本語化で第二次ブームの到来…シンプル&思い立ったら即10人プレイ

文=丸谷健太/ライター
『Among Us』日本語化で第二次ブームの到来…シンプル&思い立ったら即10人プレイの画像1
↑参加者の多く(10人でのプレイの場合は7~9人)が割り振られるクルー。いわゆる人狼ゲームにおける村人的な存在だが、『Among Us』では宇宙船内を動き回ってタスクをこなすことで、本作における人狼=インポスターを追いつめることができる

 今回はソーシャルメディアや配信といった、近年に生まれた新しいメディアがつくった流れから生まれたヒットゲーム、『Among us』を紹介したい。

『Among Us』は2018年にAndroid/iOS用アプリとしてスタートした多人数(4~10人)でのマルチプレイを想定した対戦ゲーム。プレイヤーは宇宙船でタスク(作業)を行なう“クルー”、そのクルーたちを妨害する“インポスター”、どちらかの陣営にランダムで割り振られてゲームに参加。タスクを消化するアクションパート(インポスター側は妨害やクルーの殺害が可能)と、生存者全員がテキストチャットで話しあい、多数決で宇宙船から追放(殺害)するプレイヤーを選ぶ、議論、投票パートをくり返し、自陣営の勝利を目指していく。いわゆる“人狼ゲーム”と呼ばれるパーティーゲームのルールが下敷きになっている作品だ。

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↑クルーと対立するインポスター役には、1~3人が選ばれる。人数は少ないがクルーに近づくことで殺害が可能。アクションパートでクルー全員を始末するか、議論パートに突入した際に生き残っているクルーの人数をインポスターが上回っていれば、インポスター側の勝利となる
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↑インポスターを直接排除できないクルー側は、テキストチャットでの議論と追放者を決める投票の活用が求められる。しかし議論、投票にはクルーに扮したインポスターも参加するため、インポスター側のついた嘘で議論がまとまらなかったり、インポスターの疑いをかけられたクルーが“冤罪”で追放されることもある

 しかしこの『Among Us』、人狼ゲームに適度なアクション性をプラス、1プレイが10分程度で終わる(人狼ゲームとしては異例の手軽さ)など、ビデオゲームとしての目新しさと遊びやすさはそなえていたものの、アメリカのインディーメーカー(開発元のInnerslothはわずか3名のゲームメーカー)がひっそりと配信を始めたアプリ。そのためリリース当時の2018年からしばらくは、日本はもちろんのこと、本国アメリカを含めた英語圏でも注目されているタイトルではなかった。

 そんな潮目が変わったのは2020年。海外の有名ストリーマーたちが実況プレイを配信し始めると、一躍人気コンテンツ化。日本でもYoutuberやVTuberが取り上げることによって多くのゲーム好きの目にとまり、Android/iOS版、Steam版ともに日本語に未対応ながら多くの日本人が『Among Us』をダウンロード。Nintendo Switch版の発売が発表された昨年12月ごろにもなると、日本でも『Among Us』を楽しめる土壌が完成していた。

日本語対応で“人狼ゲーム”らしい攻防の敷居が下がり、遊びやすく

 ただ、多くの日本人ゲーマーが『Among Us』をプレイしていたといっても、ゲームそのものは日本語に未対応(ゲーム内の機能だけだとローマ字を使ったテキストチャットでしか意思疎通が図れない)ということもあり、人狼らしい心理戦、攻防を楽しむためにはTwitter等のSNSで参加者を募ったり、知り合いどうしがDiscord(ゲーマー向けのボイスチャットツール)を使い、会話ができる環境を作ってこそ……という、プレイヤー側がゲーム外の環境を整える、ある種の“意識の高さ”が必要な面もあった。

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↑ゲーム内の表記、テキストチャットが日本語に対応した現在の『Among Us』(画像はNintendo Switch版)

 しかしこの問題も現在は解決済み。昨年12月には日本語ローカライズされたNintendo Switch版が登場し、さらに今年の3月6日に行なわれたアップデートによってAndroid/iOS、Steam版にも日本語でのテキストチャットが追加。スマートフォン、PC、家庭用ゲーム機、どのハードで『Among Us』を遊んでも、日本語でのコミュニケーションが図れるようになった。

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↑1回の緊急会議で議論できる時間には制限があるため、要件をいかに簡潔に伝えられるかが重要。ここで慣れ親しんだ日本語が使えるようになったのは大きい。

 ゲーム単体で日本語が使用可能になった結果、なにが一番変わったかというと、まったくの他人どうしが10人集まった状態での対戦、いわゆる“野良プレイ”の試合内容が格段に上がった点が(それほどゲーマー仲間がいない筆者のような人間には)うれしいポイント。

 いくつか例を挙げると、緊急会議中(議論パート)に自分がどういうルートで移動していたかを事細かに説明する、「〇〇が怪しい動きをしていたから次は一緒に行動する」といった提案、インポスターどうしでのアリバイ捏造etc……。こういった“人狼”らしい立ち回りがテキストチャットでできるようになったのは大きい。会話の重要性が増したため運で勝てるケースは少なくなったものの、今からひとりで『Among Us』を始める敷居は下がっているはずだ。

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↑複雑な操作を要求されることはないため、対戦ゲームにありがちな(アクションやルールを覚えるための)修練が必要ないのが『Among us』の大きな魅力。他のプレイヤーとすれ違った場所を覚えておく記憶力や、不審な動きや言動に気づける観察力が勝敗に大きく影響する

 もともとシンプルで遊びやすい人狼ゲームとしてヒットしていたところに日本語対応のアップデートが施され、格段に遊びやすくなった『Among Us』。無料で遊べるAndroid/iOS版、キーボード慣れしているならテキストチャットでアドバンテージを取れるSteam版、コントローラーでのタスク作業が快適なNintendo Switch版、どれを選んでも多くのプレイヤーが待っているので(本作はすべてのハードのプレイヤーがマッチングするクロスプレイに対応している)、人狼ゲーム好き&興味がある人、令和に入ったいまの日本だからこそ流行った“新しい”ゲームを体験してみたいという人は、ぜひこの『Among Us』を触ってみてほしい。

(文=丸谷健太/ライター)

ゲーム名:Among Us

メーカー:Innersloth

対応機種:Android/iOS、Steam、Nintendo Switch

ジャンル:アクション

発売日:2018年6月15日(Android/iOS)、2018年11月16日(Steam)、2020年12月16日(Nintendo Switch)

価格:無料(Android/ios)、520円(Steam、Nintendo Switch)

丸谷健太/ライター

丸谷健太/ライター

ゲームライター

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