【日米首脳会談】日本は「成功」報道、米国と温度差…急にウイグル問題が注目される裏側の画像1
菅義偉首相とバイデン大統領(写真:The New York Times/Redux/アフロ)

 日米首脳会談が終了して、驚くべきことが起こった。日本の左派メディア、右派メディア論壇が挙って、日米首脳会談が成功したかのようなイメージで報道しているのだ。

 今回の日米首脳会談について米国では、左派メディアは「菅義偉首相を冷遇」、保守派メディアは「民主党は礼儀を知らない」と報道しているので、失敗だったと見るべきである。

「冷遇」と言われる根拠としては、以下のようなものが挙げられている。
・共同宣言に盛り込む文言が、米国の希望する「台湾(中華民国)の平和」を日本側が「台湾海峡(地名)の平和」と変更したことにバイデン政権は不満を抱いた。
・ホワイトハウスで菅首相を迎えたのは政府要人ではなく州兵であった
・次に迎えたのは大統領ではなくカマラ・ハリス副大統領だった
・ハリス副大統領は最初の1分間、「銃規制」スピーチを行い、すぐに菅首相をメディアに紹介しなかった
・日本政府からの夕食会の提案は無視された
・バイデン大統領は翌日身内とゴルフだったが招待されていない

 ところが、今回の日米首脳会談を菅首相や政府要人らが「成功だった」としか認識できていないのは、米政府が懸念する“コグニティブ・ウォー(認識戦争)”の一端ではないか。

コグニティブ・ウォー

 本会談のテーマに上がった「ウイグル人権」「半導体」「AI」「5G」の共通項は、中国が仕掛ける“超限戦”のひとつで、AI技術を活用して人間の認識を誤らせる“コグニティブ・ウォー”である。

 バイデン大統領就任前後から、今まで大きな関心を持たれなかったウイグル問題が急に注目を浴びているが、その背景にはいくつか要素がある。

 ウイグル人の強制収容所や強制労働問題は以前から取りざたされていたが、ウイグルの民族活動を抑えるために中国が取っている支配戦略が、AIを利用してウイグル人にターゲットを絞ってプロパガンダコンテンツを表示し、ウイグル族が精神的に中国共産党化していく戦略を取っていることが米関係者の調査によって明らかになっている。

 強制収容所内で中国共産党のプロパガンダ映像を終始見せられることは知られているが、彼らがスマホやテレビを経由して認識を誤らせられているという実態は、あまり把握されていない。顔認識で「ウイグル」とコンピュータが認識すると、検索結果までもウイグル人用に変化させることができるためだ。

 その結果として、ウイグル国内で徐々に民族運動が鎮火しつつあったため、国外でのウイグル人権運動を米政府が支援するに至った次第である。

『米中AI戦争の真実』 5G通信で世界のビッグデータ収集を企む中国はAI開発にも参戦、情報覇権を狙う。追い詰められたアメリカは量子コンピューターで起死回生を図れるのか?日本の技術力がAI戦争のカギを握る amazon_associate_logo.jpg
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