
波乱含みの東京オリンピック、新型コロナウイルス感染症に伴う社会的混乱が続く中、政治の季節の足音が少しずつ近づいている。下半期の政治スケジュールはビッグイベントが目白押しだ。9月末の任期満了に伴う自民党総裁選や10月の衆議院議員の任期満了前までに解散総選挙が実施される見通しで、菅義偉首相が総裁選前に解散を決断するのか、もしくは総裁選後に新執行部の元で解散するのかが大きな焦点。国会や永田町周辺では、こうした混沌とした政治情勢を見通すため公式、非公式の会合が行われているようだ。
そんななか、与野党の大物議員2人による“迷言”が4日、TwitterなどのSNS上で物議を醸していた。この日に在職5年を迎えた二階俊博自民党幹事長と立憲民主党の菅直人元首相だ。
二階氏「菅首相に『続投してほしい』という国民の声は強い」
3日に公開された「FNN プライムオンライン」(フジテレビ系)の記事『二階幹事長 菅首相は「続投してほしい」の声が国民の間にも強い』で、二階幹事長は自民党総裁選に関する見解を問われ以下のように語った。同記事から二階幹事長の発言を引用する。
「審判をしなければいけない立場だから、できるだけ党内を公平に見守っていきたいと思っているが、菅首相がしっかり頑張っていて、今すぐ菅首相を代える意義は私は見つからない。むしろ『続投してほしい』という声の方が国民の間にも党内にも強いのではないかと判断している」
この発言に対し、Twitter上では「どこの国の話なのか?」などと批判が殺到している。自民党衆議院議員秘書は語る。
「安倍(晋三)前首相が所属する清和政策研究会(細田派)や麻生(太郎)財務相の志公会(麻生派)の中からも、菅首相の総裁再任に異議を唱える声が聞かれるようになっています。ただ総裁選前に、首相が解散総選挙を打つ可能性もあり、そうなれば総裁選自体は凍結されることになりますが……。
東京都議選や各自治体の首長選の結果を踏まえると『党勢は楽観視できる状態にはない』という危機感は誰もが持っていると思います。実際、今の党執行部で本当に総選挙を戦えるのかという不安が、少しずつ党内で高まりつつあるのは事実でしょう」
自民・菅政権と旧民主・菅政権、「悪夢」はどっち?
一方、菅直人氏は先月31日、自著『民主党政権 未完の日本改革』(ちくま新書)を紹介しながら、自身の公式Twitterアカウントに次のように投稿。激論で「どっちがより『悪夢』だったのか」について激論が交わされている。