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命がけで戦う親分たちを見てきた男が語る「真のリーダーの条件」とは?

文=沖田臥竜/作家

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 「リーダーの条件とはなんですか? 沖田さんは多くの組織の親分を見たり、その中の親分に従ったり、自身がリーダーとして活動してこともあると思います。そんな沖田さんが考えるリーダーに必要なもの、真のリーダーになるためにすべきことなどを教えてください」

 今回はこの質問に答えたい。自分自身、常にモットーとしているテーマがある。それは、

―戦う時は1人で、楽しむ時はみんなで―

である。

  筆者がいた極道の世界に限らず、どんな世界でも、絶対的なリーダーというのは、そうそう存在しない。時代も変わり、自分の能力も変化し、次から次にさまざまな優秀な人間が輩出される中で、常に頂点に君臨し続けるというのは困難なことだ。無敵といわれるチャンピオンだって、死ぬまでタイトルを防衛するなど不可能である。

 そもそも考え違いしてはならないのは、真のリーダーとは自らが目指すものではなく、周囲が押し上げてくれるものだ。だからといって、そこであぐらをかいたりすれば、どうなるか。クーデターが起きたり、ひっくり返されたりするのである。そして、得てしてそういう目に合った人間が吐くセリフは「裏切られた」というのだろう。裏切った人間が悪で、自分は被害者であるという捉え方だ。だが、そんなレベルの人間を果たしてリーダーと呼べるだろうか。

 世の中は、弱肉強食。乱暴な言い方を使えば、弱気になれば、いつでもそこから引きずり落とされる可能性が出てくるのだ。表だろうが裏だろうが、社会とは戦場だ。それこそ安定を、平和を求めるならば、失うことを恐れずに戦っていかなくてはならない。

 そんな中で、リーダーにとって大事なことは、たった1人になっても必ず戦い抜くという精神である。だからこそ、どんな職業やどんな組織でも、トップはいつでも孤独で孤高でなければならないのだ。

 トップはなぜ孤独なのか。簡単である。分かり合える立場の人間がいないからだ。良くも悪くも全責任をとらされるのはトップだけ。バイトリーダーが課せられる責任とは訳が違うからだ。

 トップが常に優柔不断で、問題が起きたら自分だけが助かろうなどと姑息なことをたくらんでいたらどうだろう。そんな人間に誰がついてくる? 商売なり事業なりがうまくいっている時ならいざ知らず、なにかトラブルを抱えたり、報酬の未払いなどを起こしたりしようものなら、人間的魅力のないリーダーには誰もついてこない。そして、部下たちが薄情な態度を取るのは明白ではないか。しかし、彼らは本当に薄情なのか。いや、その姿こそ、リーダー自身の写鏡なのである。

 常日頃から自分だけが安全圏内で生きていこう、なにかの時はまずは自分が助かろうと考えているから、部下の力が本当に必要になったときに、彼らがついてきてくれないのだ。リーダーに対して本質的なリスペクトがなければ、その組織の居心地が悪くなったら、すぐにいなくなるか、リーダーの寝首を掻きにくるだろう。

リーダーに就くことと、真のリーダーになることは別次元の話

 下の者から尊敬されたければ、最低、彼らの分まで泥を被ってやらなければならないし、不遇な境遇になっても「この人なら、なんとかしてくれる」という絶対的な安心感を与えてみせなければならない。そのために、リーダーには、尋常ではない行動力、つまり率先して戦う力が求められるのだ。

 そして決断力。決断とは、胆力があるからこそ下せるものであって、コソコソしているような人間に大事な決断を下すことなど、まず無理だろう。

 人間、誰だって失うということは嫌なものである。だが、ピラミッドの頂点に立ち、1人でも戦い抜くと覚悟を持っている人間は、失うことすらも恐れていない。恐れていたとしても、必ず乗り越えてくるものだ。

 その上で勘違いしてはならないのは、唯我独尊ではいけないということだ。人の話を聞ける耳、そして理解力を持っていなければならないのだ。

 人の話を聞ける人間とは、常に自分のことより人のことを考えており、無理してでも人の世話を焼ける人間である。それでは、損をすることも多いだろう。ただ、それは目の前の損得だけの話だ。

 結果として、人のために行動できる人間は、その後「あの人に相談すれば、なんとかなる」「あの人ならば、なんとかしてくれる」と思われていく。たとえその時に損したとしても、将来的にはプラスに変換させる力を持っている。少なくても私自身は、それができる力を持っているという自負がある。

 はっきりいって、リーダーになること自体はそんなに難しいことではない。そんな面倒な役回りをやりたくないと思う人が多いなかで、「リーダーやります!」と挙手さえすれば、できてしまうこともあるだろう。環境や境遇が整い、やる気や真面目さがあれば、申し訳ないくらい誰だってなれるものだ。ただ、リーダーというポジションに就くことと、魅力ある真のリーダーになることは別次元の話だ。

 リーダーが持つべき魅力とはさまざまだが、突き詰めれば、人のために汗をかけることに尽きるのではないか。自己犠牲の精神を持ち、その上で決して潰れず、闘い抜ける能力を持っている者。何千人何万人と部下がいたとしても、失うことを恐れずに、最後は1人になっても戦うという気概がある人間。それこそが真のリーダーの素質であり、人を引きつける魅力となるだろう。

 世の中には、その肝心のところを理解せず、「業績をよくする」「いい数字を出す」などがリーダーの条件だと履き違えている人間があふれている。だが、いい結果に導くことは当然であって、そもそも、そこをゴールとしている人間は、世間が抱える問題と同じレベルで頭を悩ませ、たとえば、今ならば、業績悪化をコロナのせいにするような態度を取りがちだ。ただ、そこで止まっていたら、井戸端会議でおしゃべりすることが好きな人たちと、なんら変わらないレベルである。

 常に立ち向かう精神を持っている人間は、現状をしっかりと分析した上で、人とは違うことを常に考えて、部下の何倍、何十倍も働き、強烈なリーダーシップを発揮しているものである。そんな人間は、誰しもが口にする当たり前のレベルの話はそもそもしない。なぜならば、いつだってもっと先を見据えて、それに向けて動き出しているからだ。リーダーとは、そのような強烈な推進力を持って、集団を導いていく者なのである。

(文=沖田臥竜/作家)

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沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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