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神戸山口組は「まだ終わっていない」…新人事、他団体との連携で体制強化へ

文=山口組問題特別取材班
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神戸山口組・井上邦雄組長

 先日、組織の要でもある若頭が離脱した神戸山口組(参考記事「神戸山口組に最大の危機到来か」)。これにより、衰退に拍車がかかり、山口組分裂問題に終止符が打たれるのは近いのではと思われていたのも束の間、ここに来て新たな動きを見せた。新人事を発表させたのだ。

 それによると、若頭は空席のまま、若頭代行に二代目中野組・小嶋恵介組長、若頭補佐に百八竜会・竹本均会長が就任。さらに本部長に五龍会・青木和重会長、組織委員長に徳心会近藤大恵会長が就任したのだ。また、山健組の残留派といわれた組長らは、組織委員として名を連ねたというのである。

 ここに来ての体制刷新。「まだ神戸山口組は終わったわけではない」という意思表示ともとれる。

 「新たに組織委員となった組長らは、神戸山口組が発足当初に新設させた幹事に等しい役割ではないか。一方で、執行部を強化するような新人事を発表することは、六代目山口組サイドを刺激することになりかねない」(事情通)

 神戸山口組に関して注目すべき動きは、それだけではない。2020年に同組織から離脱し、独立路線を貫いている池田組と親睦を深めることで合意したのではないかと業界内では騒ぎになっているのだ。

 「さらに、同じく神戸山口組から離脱した織田絆誠会長率いる絆會も加わり、3社同盟が結ばれることになったのではないかといわれています。ただ、明確にはそうは言い切れないという話も関係者からは聞こえてくる。現時点で神戸山口組と池田組が、それぞれ独自で組織を運営しながらも、親戚以上の関係を結ぶことで合意したというのは確かなようです。ただ、3社同盟が合意に至ったかといえば、そこは簡単に実現しない複雑な事情があるのではないでしょうか」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 話を掘り下げてみると、どうやら3社が友好関係を結ぶことで話し合いがまとまったことは事実だが、神戸山口組が絆會と直接的に友好関係を築いたわけではないようだ、というのだ。

 「つまりは、こういうことだ。絆會と池田組はそもそも一心同体ともいえる関係にあるから、神戸山口組が池田組と親睦を深めることになったということは、イコール絆會とも良好な関係性を持つことも含まれているということ。ただ、神戸山口組と絆會が直接、なんらかの話し合いをもって、同盟を結んだというわけではないだろう」(業界関係者)

 そして、この3社の関係は、組織同士の合併や吸収ではなく、独立組織でありながら、互いに連携して共存の道を維持していくのではないかと見られている。この3社体制については、9月9日に正式に発表されるのではないかといわれているが、こうした動きを六代目山口組サイドが見過ごすだろうか。

 「六代目山口組は、神戸山口組はもちろんのこと、そこから離脱した絆會や池田組に対しても独立組織として認めているわけではない。そんな中で、経緯はどうであれ、3社が友好関係を結べば、黙っているとは考えにくい。武力行使が行われてもおかしくないのではないかと現在、当局は警戒を強めている」(捜査関係者)

 実際、9日にはどういった発表があるのか。それを六代目山口組はどうとらえるのか。ここに来て、分裂問題はまた違った動きを見せようとしている。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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