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借りられるうちに借りろ 起業の結果を決める「融資のリテラシー」

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※画像はイメージ(新刊JPより)。
※画像はイメージ(新刊JPより)。

 「コロナ不況」から立ち直れていない日本だが、そんな中でもビジネスチャンスを見出して起業する人は少なくない。

 ただ、その道のりは険しい。新しく創業した会社の「生存率」については様々データがあるが、経済産業省の中小企業白書(2006年)では、創業1年後で72%、3年後で約50%、5年後で40%となっている。創業してから5年以内に、半分以上の会社が潰れてしまうということだ。そして、会社が潰れる理由は、いつの時代もたった一つである。

資金ショートが起きやすい創業初期をいかに乗り切るか

 売れると目論んでいた商品がまったく売れなくても、コロナで客足が途絶えても、手元に資金があるうちは、会社は潰れない。会社が潰れる理由の大半は「資金繰り」である。そして、創業初期ほど資金ショートが起きやすい、とするのが『増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(田原広一著、幻冬舎刊)だ。

 もちろん、起業にあたって自己資金はできるだけたくさんあった方がいいのは間違いない。本書では「最低でも半年分くらいは、売上が0でも生活できるくらいの生活費を貯めておくこと」をすすめている。

 ただ、そもそも開業するだけで多額のお金がかかるわけで、それにプラスしてお金を貯めておくのは、ほとんどの人にとっては難しい。そこで「融資」に頼ることになる。

「借金=悪」の発想を捨てよ

 「融資」とは一種の「借金」だ。この借金をことのほか嫌い、避けようとする気質が日本人にはあり、無借金経営を美徳とする風潮にもそれはあらわれている。しかし、この気質が起業ではマイナスにはたらくことがある。

 どんなビジネスであれ、創業初期はお金が入ってきたりこなかったり、資金繰りが不安定になる。そんな時に頼れるのは現金だ。借入なしで手元に100万円あるのと、借入が500万円で手元に600万円あるのとでは、たとえ大半が借入によるものでも、今使える600万円が手元にある方が事業を存続させるうえでは強い。

 その意味では、融資をはじめとする借入は起業には不可欠と言っていい。「融資に頼らずできるだけ自己資金でやった方がいい」も「資金繰りに困ったら、最後の手段として融資を受ければいい」も、借金への嫌悪感から生まれた誤解なのだ。

「資金繰りに困ったら融資を受ければいい」はなぜまちがっているのか

 そもそも「資金繰りに困ったら融資を受ければいい」は、ほとんど不可能だ。事業をすでに始めていて売上があがっていない赤字の会社に融資する金融機関も、事業がうまくいかずにお金がない会社に出資する投資家も、まずいないからである。

 困ってからお金は借りられない。お金を借りるなら事業を始める前の「まだ困っていない時期」が一番借りやすい。「いざとなったら借りる」ではなく「借りられる時にお金を確保しておく」が、資金繰りの不安定な創業初期を乗り切るための鉄則なのだ。

 「困っているわけでもないのにお金を借りて、利息を払うのはバカバカしい」という考え方も捨てた方がいい。「転ばぬ先の杖」としての資金を用意できるのであれば、低利が続く現在の利息は、事業を頓挫させないための「掛け捨て保険」とも捉えられる。

 もちろん、融資を受けるには準備すべきことが多々あり、誰もが無制限にお金を引き出せるわけではない。本書のキモは融資を受ける具体的な手法にある。

 創業融資の審査をパスする方法から、最初に借りるべき機関、少しでも多くの融資を引き出すためのひと工夫など、知っているのといないのとでは事業の先行きに大きな違いが出る融資の知識を授けてくれる。

 起業の成否は商品やサービスだけで決まるものではない。資金繰りが会社の命運を決める以上、むしろそれは「融資のリテラシー」で決まるのだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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