気軽に入れるお店の雰囲気と、コストパフォーマンスの良さで愛されている回転寿司チェーン店。だが、バーガーチェーン店などに比べると、チェーン店ごとの寿司の味の違いをイマイチ掴めていない人も多いのではないだろうか。
そこで今回は「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」「はま寿司」と、4つの寿司チェーン店で寿司を食べ比べ。「人気ネタ編」と題し、チェーン店ごとに“定番の人気メニュー”と、“ネット上で人気の高いメニュー”を2品ずつ選出。今回紹介する寿司はすべて110円に統一し、実際にその味の違いを比べてみた。
総評で優勝チェーン店も決めているので、ぜひ最後までお読みいただきたい。
スシロー
まずは、1984年誕生のブランド・スシローだ。株式会社あきんどスシローが運営する同ブランドは、もともと1975年に大阪で生まれた立ち食い寿司屋「鯛すし」がその始まり。そこから月日とともに成長を重ね、直近のデータで国内600店舗以上を持つまでに成長している。
【サーモン/110円(税込、以下同)】
今回“人気の定番メニュー”として選んだのは「サーモン」。近年は若者を中心に王道のマグロを抑えてサーモンが人気1位に輝くことも多いという。
スシローの「サーモン」は、ネタのサイズはシャリより多少大きいくらいだが、少し厚みが薄い印象だ。だが、しっかりと脂は乗っており、110円という値段を考えるとコストパフォーマンスは良好だろう。シャリは硬めに炊いており、酢の香りと甘さはほのかに感じられる程度でバランスも良かった。
【はまち/110円】
スシローで“ネット上で人気の高いメニュー”として今回選んだのは「はまち」。ネットメディア「ねとらぼ調査隊」が選んだ2022年のスシローの人気ネタランキングでは、先述の「サーモン」が1位で、「はまち」は3位に輝いていた。さらに、2021年のランキングでは堂々の1位に輝いているので、安定した人気メニューと言っていいだろう。
そんな「はまち」は、シャリと同じくらいのネタサイズが気になった。食べてみると脂の乗り具合は“そこそこ”なものの、はまちのうまみはしっかり感じられた。だが、シャリと一緒に食べることを考えると、やはりもう少し脂が乗っていてほしかった。
くら寿司
次のチェーン店は、1977年に大阪の堺市で誕生したくら寿司だ。このチェーン店は遊び心が豊富で、食べ終わったお皿をカウンターの投入口に入れて楽しむ「ビッくらポン!」というガチャガチャシステムを導入している。こうした取り組みもあってか、家族連れからの人気が高いくら寿司は、直近のデータで国内約500店舗を展開している。
【サーモン/110円】
くら寿司の「サーモン」もスシローと同じ110円という低価格で楽しめる定番人気メニュー。くら寿司には「とろサーモン」「焼きはらす」「オニオンサーモン」など、同じ価格帯のサーモン系商品がいくつかあったが、今回はシンプルなネタをチョイスした。
くら寿司の「サーモン」はスシローよりは厚めで、一口食べるとサーモンのうまみが口に広がった。その一方で気になったのはネタの水っぽさ。噛んでいると、脂というよりも水気が染み出してくるようだった。食べ進めるうちに気にならなくなる程度のものだが、一口目はこの部分が気になる人もいるかもしれない。
【極み熟成 まぐろ/110円】
くら寿司のネットで人気のメニューとして今回チョイスしたのは、「極み熟成 まぐろ」だ。読者投票に基づく記事を作成している「みんなのランキング」が出した、2022年の人気ネタランキングで2位に輝いた商品である。1位は「特製茶碗蒸し」だったので、寿司ネタでは実質1位といえるが、どんな味なのだろう。
見た感じは、ネタのサイズも大きめで厚みもあるこのメニュー。期待を胸に一口食べてみると、赤身まぐろのうまみは感じられるのだが、“極み熟成”と謳うには、やや名前負けしているように思えてしまった。少々期待値が高かったかもしれない。