「しょうが」に驚きの効能…がんや脳梗塞などの病気予防、抗ウイルス作用や免疫力向上
生姜の効能について、以前にも本連載で少し述べたが、今回は詳しく説明したい。
生姜ブームが続いている。大小の食品メーカーが、競って生姜入りの製品を開発販売している。曰く、「『冷え知らず』さんの生姜ホットスムージー」(永谷園)、「ほっとしょうが」(アサヒ飲料)、「ぽかぽか生姜めしの素」(岩下食品)、「生姜白湯鍋つゆ」(ヤマキ)など、枚挙にいとまがない。
この生姜ブームの火付け役は、まぎれもなく私である。昭和57年(1982年)に、東京で内科のクリニックを開業したとき、それまで「人参・リンゴジュース健康法」をはじめとする数々の健康本を上梓したり、玄米食を中心とした自然食療法を提唱したりしていた手前もあり、化学薬品はなるべく使わず、漢方薬処方を中心とする診療をすることにした。
しかし、医学部では漢方薬の講義などなかったので、漢方医学の独学を強いられた。風邪薬の「葛根湯」、胃の薬の「安中散」、肝臓病の薬の「小柴胡消」など、ほとんどの漢方薬に生姜が配合されている。そこで、生姜に関する研究論文を渉猟することにした。日本での研究論文は少なかったが、アメリカとデンマークの医学者が、かなり深くて広い研究をして論文を出していた。
それによると、生姜の辛味成分の「ジンゲロン」「ジンゲロール」「ショーガオール」などに、次のような効能があることが明らかにされている。
(1)体を温める
血管を拡張して血流をよくし、すべての内臓の働きを活発にすることによる
(2)白血球の働きを活発にして免疫力を高める
(3)強心・利尿効果により「むくみ」をとる。
(4)消化吸収を促進する
(5)発汗・解熱作用がある
(6)消炎(炎症を抑える)、鎮痛作用を発揮する
(7)吐き気をとめる。船酔い、つわり、抗がん剤による吐き気に奏効
(8)抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用がある
(9)「めまい」に効く
(10)鎮咳作用を有する
(11)血栓症(脳梗塞・心筋梗塞)を防ぐ
(12)健胃作用・抗潰瘍作用がある
(13)脳の血流をよくして「うつ」に効く