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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

「安倍晋三事務所」が国会ルールに違反か…死去後も永田町に居座り、秘書が出入り

文=神澤志万/国会議員秘書
衆議院第一議員会館(「Wikipedia」より)
衆議院第一議員会館(「Wikipedia」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 国会にはいろいろな不思議な出来事がありますが、またもや「アレレ?」という案件が発生、国会女子たちをざわつかせています。7月8日、参議院選挙の終盤、安倍晋三元首相が凶弾に倒れました。あのときの記憶は鮮明に脳裏に残っています。みなさんも同じですよね?

 そして、9月27日に国葬が行われました。この2カ月あまりの間に岸田政権への風当たりが悪化したことは、「安倍元首相の国葬があらゆる面で残念だった理由…国会議員秘書が当日の裏側を暴露」に書かせていただいた通りです。

 さて、国葬の儀で弔辞を読み上げた岸田文雄首相と菅義偉前首相を比べながら、ふと「あること」に気づきました。それは、最近まで衆議院第一議員会館の12階に安倍晋三事務所があったことです。そして、秘書さんが出入りしていました。神澤が確認した限りでは、9月30日までは確かに存在していたのです。

 これは、どういうことなのでしょうか? 何回か書かせていただいていますが、国会の議員会館は落選の場合は3日以内、任期途中の辞職の場合でもだいたい10日前後で事務所を片付けて退出しないといけないことになっています。

 気になって調べてみたら、このルールは明文化されておらず、あくまでも「慣例」のようです。確かに安倍元首相は戦後初の「凶弾に倒れた総理」となり、突然のことでバタバタしていたのでしょうが、やっぱりおかしくないですか? 首相経験者の事務所は退出期限がないんですか? どういう特例で許されていたのでしょうか。

 神澤はむしろ安倍元首相のファンでしたが、そういう問題ではないのです。「他の事務所はみんなルールを守っているのに、なんで安倍元総理だけ?」ということです。

 議員会館と各事務所の出入りには、社員証のようなICチップ付きの「記章」を使います。この記章は厳重に管理されていて、秘書が退職すると即座に記章係に返却しないといけないルールになっています。後任の秘書も、前任の返却が確認されるまで記章を渡してもらえない仕組みです。だから、返却するまでめちゃくちゃ催促されます。それなのに、ですよ。いったいどのような記章を秘書さん方は使用していたのでしょうか。

 公設秘書としての給料はさすがに支払われていないと思うので、もう公設秘書の身分ではないはずです。そうすると、私設秘書記章でしょうか。衆議院の記章だけでも20種類以上あり、そのどれを与えられていたのか不思議に思っています。まあ、秘書仲間たちとは「まだ秘書さんが出入りしているのなら、元総理の読みかけの本を拝見したいよね」とひそひそ話をしていました。

突然消えた安倍事務所の謎

 10月3日、出勤してみると「安倍晋三」の文字が廊下の案内板から消えていました。気になって12階まで確認に行ってみると、ドアの事務所名の表札もなくなっていました。先週の金曜日までは、今でも安倍元首相が執務をしているかのように普通に事務所が存在していたことを思うと、突然、表札が消えて電気もついていない事務所のドアの前で不思議な気持ちになりました。

 今度こそ、本当にいなくなってしまったんだなぁと。先週までは、どうして? どうして? まだ安倍事務所はあるの? と不思議な気持ちで、なくなってしまうと、それはそれで、なんで? なんで? なくなってしまったの? と。やっぱりモヤモヤが消えない国会女子たちでした。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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