「お金」や「資産」はいつの時代も私たちの関心事。
お金の心配をせずに暮らしていける人はうらやましいものだし、富裕層と呼ばれる人がどんな生活をしているのかも気になる。そこには「お金に苦労したくない」という心理があるのはまちがいないだろう。
一億円以上の資産を持つ「億万長者」の暮らしを想像すると、高級車を何台も乗り回し、一年に何回も海外旅行に出かけ、豪華な食事をとり、といったことを思い浮かべがちだが、実際のところはどうなのか。
普通の人以上に出費に厳しい富裕層たち
『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社刊)の著者で、国税局で約10年間相続税調査を担当していた小林義崇さんは、富裕層の暮らしぶりについて「質素で、服装も極めて普通。一見しただけでは、富裕層と一般の人を見分けることはできません」としている。
また、富裕層の生活には一定の共通点があるそう。それを真似れば富裕層になれるわけではないが、生活習慣にはその人の考えや哲学が反映される。富裕層のお金への考え方を知ることは、損ではない。
たとえば、資産が潤沢にあるからといって金遣いが粗くなるわけではなく、むしろ普通の人と比べても出費への意識が高く、暮らしぶりが質素な点。相続税調査で遺産の金額を推測するために富裕層の家を訪問することが多かった小林さんによると、広い家は多いものの、高級家具や骨とう品がたくさん並んでいるわけではなく、普通の家よりも中はすっきりしていることが多いそう。高級車やプール、プライベートジェットといった「いかにもお金持ち」といったものを目にしたことは一度もなかったという。
家族がお金を管理するメリットは?
ただ、多額のお金を稼いでいる人がお金に執着して出費を切り詰めているかというと、そうでもない。稼ぎ手がお金に無頓着であるがゆえに自分でお金を管理せず、家族が管理していることも富裕層には共通している。
こうすることで無駄な出費が避けられるとともに、本人が亡くなった時の相続の手続きがスムーズになる。収入状況や資産状況を説明できる家族がいることはメリットが多いのだ。
お金を使うのは「成長する資産」だけ
そして、当然ながら富裕層がギャンブルにのめり込み、損をするケースは少ないし、ギャンブルで財をなしたという富裕層も少ない。富裕層の大半は仕事で堅実に稼いでいる。
彼らはギャンブルをするくらいなら投資をする。お金持ちは「何も残らないもの」にお金を費やすことはない。お金を出すのは「成長する資産」に対してだけだ。自分の仕事を持って懸命に働き、お金にも働いてもらうのが、富裕層の共通点だといえる。
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本書では「家計」「資産運用」「生活」「家族」の4つの観点から富裕層の行動と考え方を解説していく。富裕層は運ではなく、富裕層になるべく考えて行動していたからこそそうなれた。
「億万長者」になるのは簡単なことではないが、お金との向き合い方は今日からでも変えられる。無益なことにお金を費やすのをやめたり、お金の管理を覚えたり、投資に意識を向けるだけで、自分の経済状況は好転していくはず。本書はその一助になるだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。