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その結果、比較的業績の良い店では、店員がリピート客に対して「お砂糖は付けなくてよろしいですね」と尋ねるなどなんらかの声掛けを行い、客に好印象を与えている。一方、業績悪化に苦しんでいる店の店員の接客は機械的で、型通りの「いらっしゃいませ、お待たせしました」レベルの接客しかしていないことなどがわかった。
モスフードはそうした調査結果を全店長・全店員に「成功事例、失敗事例」として告知し、店員自ら接客改善に努めるよう促した。これにより、型にはまらない接客を保持しつつ、接客品質の全体的な底上げに成功した。
その上で、13年4月から「こだわり農家の野菜サラダ」をはじめとする新メニューを次々投入。それと並行して主力商品「モスバーガー」「テリヤキバーガー」「モス野菜バーガー」の17メニューも刷新するなどの商品力強化を図った。接客品質底上げを土台にした「手づくりの魅力的なメニュー」が競争力となり客足が戻り、売上高が前年同月比増を続ける店が増加していった。本部に対するFCオーナーの不満も消えていった。
モスフード関係者は、再成長の過程をこう振り返る。
「消費者に選んでもらえる飲食店になるためには、本部が消費者に近づくためにはどうすればよいのかを日々考え、肌で感じたニーズに基づき開発した商品。その商品を実際に買ってもらえる現場力。この2つの力が相乗効果を発揮しなければ、競争力が保てない」
マクドナルドの経営陣に欠けているのは、まさにこうした視点のようだ。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)
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