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日産自壊、ルノーによる経営統合が現実味…不正報酬で西川社長「指示なし」は通用せず

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 そうした認識は、日産の社内にもより広く、より深く浸透するだろう。西川氏は、ゴーンが会社を私物化し独裁的権力をふるっていたとの批判を行ってきた。その人物が、ゴーン時代の遺物である制度から本来よりも多くの報酬を受けとっていたことは、多くの従業員にとって受け入れられるものではないはずだ。環境が急速に変化する中で組織がバラバラになってしまうと、長期の視点で企業が変革を目指し、さらなる成長を目指すことは難しくなる。

重要性高まる経営トップの役割

 今、日産に求められるのは、組織を一つにまとめ、企業として向かうべき方向を明確に示すことのできる経営者だ。今回の疑惑浮上によってフランス政府およびルノーは、日産への態度を硬化させる可能性がある。9月に入ってからフランス政府関係者はルノーと日産の関係を見直す考えなどを示した。しかし、それがフランス政府の本音とは限らない。表面には出ていないが、フランスはルノーの日産に対する影響力を強めたいはずだ。

 産業政策の専門家を自認してきたマクロン仏大統領にとって、自国の自動車産業のすそ野をさらに広げることを通して有権者に成果を示すことは重要だ。フランスでは“黄色いベスト運動”が再燃し始めた。フランス経済の先行き懸念が高まるなか、日産への影響力を強め国内の雇用増加などにつなげたいというのがマクロン大統領の本音だろう。

 今後、日産は社内外からのさらなる批判や懸念に直面していく可能性が高い。そのなかで日産は組織の混乱と動揺を抑え、ステークホルダーの賛同を得ていかなければならない。口で言うほど容易なことではないが、最後まであきらめずに内部の“うみ”を出し切り、多様な利害を調整して組織を一つにまとめることなしに、日産が経営の再建を目指すことは難しい。

 組織の混乱が続くと士気は低下し、従業員の不満もたまってしまう。そのなかで企業が人々のアニマルスピリットを引き出して新しい商品などの開発を進め、成長を目指すことはより困難となるだろう。

 日産が、最後まで経営改革をやり遂げる力を持った人材を見いだし、その人が経営に携わる環境を目指すことは非常に重要だ。それができるなら、同社はフランス政府の賛同を取り付けつつ、長めの目線で事業基盤を整備できるだろう。組織が混乱している状況であるだけに、どの程度スピーディーに新しい経営者による改革が進むか否かは、日産の経営に対するステークホルダーの見方に大きく影響するだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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