西武鉄道、通勤電車がクラブに！単なる「移動手段」でなく「アミューズメントな鉄道会社」へ

電車が変われば、世の中が変わる

–確かに、西武に限らず、各鉄道は周辺住民以外はあまり乗る機会がないので、認知する機会が少ないですね。

中山　私は「乗る、住む、使う」と言っているのですが、まず電車に乗ってもらい、駅や周辺施設を使ってもらい、最終的には住んでもらう。そういった一気通貫モデルを目指すべきだと思います。その入り口として、イベント列車などの“ソフト戦略”に力を入れています。

–今後の課題およびビジョンは、どういったものでしょうか？

中山　課題は「メジャー化」です。例えば、当社主催の「ちちぶ映画祭」は、13年に旗揚げして今年で3年目を迎えますが、認知度はまだまだです。なので、メジャーな“上映作品”や“登壇ゲスト”を誘致することで、“開催地・秩父”および“主催社・西武鉄道”のメジャー化を目指したいと思います。

　また、通勤時間帯をどう“調理”できるかが、今後のポイントですね。「つまらない」「つらい」だった電車の中の時間とスペースが変われば、世の中が変わると思います。そして、電車の中が楽しければ「通勤時間が長くてもいい」「都心から離れたところに住みたい」という人が増え、ライフスタイルや文化も変わるかもしれません。

–ありがとうございました。
（構成＝編集部）