片山修「ずたぶくろ経営論」
震災で壊滅の日産工場、社員を奮い立たせたゴーン社長の「情と理」経営…1カ月で復旧
文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
ゴーンは、工場長の小沢に「社長特別賞」を贈った。トロフィーを小沢に手渡したあと、次のようにスピーチした。
「がれきがどんどん収束して細くなっていき、復旧が進むと同時に、アルミの光は輝きを増していきました」
トロフィーは、鋳造ラインのアルミニウムのがれきからつくられていた。
日産がいわき工場の被災の影響を最小限にとどめることができたのは、1999年の日産の経営破たんの危機の後、日常的に蓄積してきた危機対応力がいかされた結果といえるだろう。
(文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家)
※本文中、敬称略。
後編につづく