急加速し始めた日本のクルーズ・ビジネスを牽引するオンラインクルーズ・エージェント。その運営会社ベストワンクルーズの澤田秀太社長に、前回に引き続きアウトバウンドの外航クルーズの実情を聞いた。
急成長を続けるクルーズ市場、ベストワンが外航クルーズで強み
――日本で外航クルーズ(出港地、寄港地、帰港地のいずれも日本国外)を手がけている主な旅行会社は、どんなところがありますか。
澤田秀太社長(以下、澤田) 総合旅行会社としては、JTBさんと阪急交通社さんが力を入れています。専業的な旅行会社としては、当社とクルーズプラネットさんが知られています。
――各社のクルーズ・ビジネスの規模は、どれくらいなのでしょうか。
澤田 JTBが100億円規模でトップ、これは日本船として世界1周クルーズを展開している飛鳥2【編注:正式表記はローマ数字】での売り上げが半分ほどあると見られています。飛鳥2は郵船クルーズが所有運航しています。
――阪急交通社の外航クルーズの新聞広告はよく目にします。ベストワンクルーズの売り上げ規模を教えてください。
澤田 年商などは非公開にさせていただいていますが、おかげさまで前年対比で30%増を続けています。
――成長が加速しているのですね。
澤田 はい。外航クルーズの分野ではマーケット自体が成長していますし、当社はおかげさまでマーケットの成長をしのぐ速度で成長させていただいています。
――どの分野が好調なのでしょう。
澤田 クルーズは、外航クルーズ(アウトバウンド)、訪日クルーズ(インバウンド:日本で就航、あるいは日本に寄港する海外船社のクルーズ)、国内クルーズの3つに大別されています。当社は、すべて扱っていますが、特に外航クルーズの伸びが大きくなっています。
商品としての外航クルーズは3つに大別されます。(1)添乗員付きのパッケージ旅行、(2)添乗員が付かない募集型のパッケージ旅行、そして(3)FITといわれる個人旅行です。FITとはForeign Independent Tourの略で、お客様のご希望によりクルーズ、航空券、ホテルなどを組み合わせ発注します。当社の売り上げは(2)と(3)で大部分を占めています。