「民泊は新しいビジネスなので、オーナーには運用についてプロの方もいれば素人の方もいます。今、民泊管理代行業者が運用を行うケースもありますが、当社では民泊管理代行業者と積極的に提携して、物件ごとに管理を委託します。
それによって、オーナーは管理の手間を省くことができ、民泊管理代行業者にとっては新たなビジネスにつながる。ポイントは、単なるプラットフォームの構築だけではなく、管理業務のマッチングも行うという点にあります」(同)
民泊の運用は簡単ではない。たとえ物件があったとしても、管理が容易ではないからだ。近隣からのクレーム対応、チェックイン・アウトの管理、清掃などの業務は尽きない。すべて自分で行うのは難しく、それが理由で民泊事業を断念する物件投資家も少なくない。楽天LIFULL STAYは、その管理業務も担うことで、大きな差別化を図ろうとしているわけだ。
また、同社は全国各地で定期的にセミナーを開催している。民泊新法の波に乗り、“ヤミ民泊”ではなく、合法的に民泊で収益を上げる方法をオーナー向けに解説しているのだ。
楽天LIFULL STAYは、約9200万にのぼる楽天会員数といった顧客基盤とブランド資産を持つ楽天と、不動産業界で強力なネットワークを持つLIFULLの両社のシナジー効果が何よりの強みだ。セミナー参加者は、まさにそのシナジー効果を期待するという。
「思った以上にセミナー参加者は多いです。そのため、申し込みも一定のところで締め切らせていただいています。みなさんの興味・関心が高く、大きな手応えを感じています。
参加者は、すでに物件を保有している個人投資家と法人の半々です。なかには、『こういう物件を持っているのですが、民泊でどのくらいの収益が見込めるか、シミュレーションしてほしい』という問い合わせもいただいています」(同)
民泊新法では営業日数「上限180日」
ただ、当然のことながら民泊新法には規制がある。前述した特区民泊以外の地域では施設の貸主が自治体に届け出ることが必要で、年間の営業日数は180日が上限となる。この上限について、民泊業者からは「厳しい」という声も上がっている。
「場所や条件によって異なりますが、残りの日数をどう運用していくかがカギです。都心部であれば、短期賃貸との併用ということも考えられます。オーナーは、場所と物件を間違わなければリスクは少ない。場所によっては、旅館業法に定められている『簡易宿所』の許可を得るのもいいでしょう。これについては、ある提案を行ったところです」(同)