東京23区で社長がもっとも多く住む街は世田谷区――。
東京商工リサーチの『東京都23区「社長の住む区」調査』【※1】によると、世田谷区には東京23区内に居住する社長(35万5175人)のうち3万8771人が住んでいる。構成比10.9%で、23区内の社長の10人に1人が世田谷区居住ということになる。2位は港区の2万5124人(構成比7.0%)、3位は大田区の2万2006人(同6.1%)となっている。
世田谷区は、三軒茶屋、下北沢、二子玉川、自由が丘などの人気スポットに住宅地が隣接しており、成城などの高級住宅地もある。港区も赤坂や六本木などの高級住宅地を抱えており、大田区は高級住宅地の象徴ともいえる田園調布がある。こうした背景が如実に反映された結果といえそうだ。
4位に練馬区の2万1124人(同5.9%)、5位に新宿区の1万9625人(同5.5%)が続く。逆に少ないのは、千代田区の5244人(同1.47%)、荒川区の6987人(同1.96%)、墨田区の8910人(同2.50%)となっている。
人口に対する社長の比率では、港区が9.9%で1位だ。次いで、渋谷区と千代田区が8.6%で並び、中央区の6.5%、新宿区の5.7%が続く。もっとも比率が低いのは葛飾区の2.40%で、次いで足立区の2.49%、江戸川区の2.50%、北区の2.56%、板橋区の2.63%となっている。
「東京の社長」業種はサービス業が3割以上
東京23区内に住む社長の経営する企業を産業別でみると、飲食業、宿泊業を含むサービス業他が12万5354人(同35.2%)で最多。次いで、情報通信業の3万9351人(同11.0%)、不動産業の3万8046人(同10.7%)、製造業の3万5609人(同10.0%)、小売業の3万5454人(同9.9%)、卸売業の3万4824人(同9.8%)となっている。
各区の産業別構成比はどうか。建設業は最高が足立区の20.9%で、最低が千代田区の2.1%。不動産業は最高が千代田区の16.1%で、最低は足立区の7.6%。製造業は最高が墨田区の18.8%で、最低は新宿区の6.9%。情報通信業は最高が渋谷区の15.1%で、最低が足立区の6.0%となっている。
「職住一致率」トップは台東区、最低は世田谷区
また、経営する企業の本社と社長の住む区が同一の「職住一致」の数を見ると、最多は世田谷区の1万8912人。次いで、港区の1万6074人、大田区の1万4077人となっている。
少なかったのは、千代田区の3379人、荒川区の4037人、文京区の4871人で、最多の世田谷区と最小の千代田区では1万5000人以上の開きがある。
職住一致の比率では、台東区が71.2%でトップに。次いで、足立区の67.6%、江戸川区の65.7%、墨田区の65.3%、中央区の64.5%と続く。低かったのは、世田谷区の48.7%、目黒区の49.1%、文京区の50.3%、杉並区の50.4%、中野区の52.7%の順だ。
職住一致のエリア別の構成比は、城東エリア(台東・墨田・荒川・足立・葛飾・江東・江戸川)が63.8%、都心・副都心エリア(千代田・中央・港・新宿・渋谷・文京・豊島)が61.8%、城北エリア(北・板橋)が59.3%、城南エリア(品川・大田・目黒)が57.5%、城西エリア(世田谷・中野・杉並・練馬)が51.2%となっている。住宅地を多く抱える城南と城西が全体平均(58.8%)を下回る。
この背景について、東京商工リサーチ情報本部は以下のように分析している。