次期海自下士官トップの本命は林舞鶴先任伍長
この基準に照らし合わせると、浮かび上がってきたのが舞鶴地方隊の林顕弘先任伍長(海曹長)、護衛艦隊の井元孝治先任伍長(同)、練習艦隊の廣崎正彦先任伍長(同)の3人だ。
海幕関係者は言う。
「昭和41年生まれの林先任伍長だと年齢的にも座りがいい。ほか、内部では現在、呉地方隊の高石剛先任伍長も好評だが、たしか昭和39年生まれだ。定年を考えると、見込みは薄いのではないか」
一方、練習艦隊の廣崎先任伍長は昭和45年生まれで、若過ぎるとみられる。そのため関係者の間では、練習艦隊を経て呉地方隊の先任伍長に就任した高石先任伍長の例にならって、一度、呉地方隊の先任伍長を経験してから海幕先任伍長職に就くのではないかと見る向きがある。いわば、“次の次”の大本命といったところだ。
そうすると“次の海自下士官トップ”は、本命は舞鶴の林先任伍長、対抗が護衛艦隊の井元先任伍長となる。護衛艦隊関係者は言う。
「今、名前の挙がった各先任伍長は皆、温厚で人望が厚い人物です。誰がなってもおかしくありませんが、現在、先任伍長職に就いていない人の中にも候補者はいます」
たとえば、次のトップ・大穴には潜水艦隊勤務の曹長の名前が、さらにその次のトップ候補には英語が堪能な特別警備隊出身者の名前も挙がった。廣崎先任伍長同様、生徒出身で廣崎氏よりも1期下に当たるY曹長だ。
「順当にいけば、次の海幕先任伍長は林さんか、井元さんのどちらかでしょう。その次が廣崎さん。しかし、米軍との関係や人脈への期待から、Y曹長の可能性もあります」
現在の関海幕先任伍長は、就任してからすでに2年を超えている。来年6月の統合幕僚長交代人事に合わせて下士官人事の交代も予想される。海自を裏から仕切る“陰の指揮官”は、誰になるのか。自衛隊ファンのみならず政界、財界関係者も注視している。
(文=編集部)