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たとえば、コンビニでスタバのチルドコーヒーと並んで売られている森永乳業のチルド飲料「マウントレーニア」のカフェラテは240mlで150円(税別)。それに対して、スタバのカフェラテは200mlで200円(税別)となっている。味に大差はないにもかかわらず、スタバの商品のほうが少量なのに高価格なのだ。
今回のスパークリングドリンクに関しても、消費者からは「量が少ないわりに値段が高い」という声が多く聞かれる。そのような強気の価格設定が可能であること自体、スタバのブランド力が確固たるものになっていることの証といえるのかもしれない。
スタバとマクドナルドの共通点とは
しかし、一見盤石に見えるスタバにも大きな落とし穴が存在する。それは、「ここまでブランドが定着すると、戦略を転換するのが難しい」という点だ。
「もはやスタバは、その戦略を大きく変えることが不可能に近い。なぜなら、それをやってしまうと、これまで獲得してきた多くの顧客を失う危険性があるからです。これは成功を収めたブランドが陥りがちなジレンマで、わかりやすい例としてマクドナルドが挙げられます」(同)
現在はV字回復が注目されている日本マクドナルドだが、前最高経営責任者(CEO)の原田泳幸氏の時代に始まった客離れの影響で業績が低迷し、一時は存続の危機に追い込まれた。
2013年にトップが原田氏からサラ・カサノバ氏に交代したが、使用期限切れ鶏肉使用や異物混入などの問題が次々と起こり、消費者のマクドナルド離れがさらに加速したことは記憶に新しい。
「世界最大の外食チェーンであるマクドナルドの基本戦略は、昔から変わっていません。すでに大きな成功を収めている企業なので、危機に陥っても大きく経営方針を変えることができないのです」(同)
この指摘は、スタバにも当てはまるに違いない。顧客満足度が低下するだけならまだしも、仮にスタバブランドを毀損するような事態が起きれば、マクドナルドの二の舞となる可能性もあるというわけだ。盤石な裏でジレンマを抱えるスタバは、今後も消費者を魅了し続けることができるのだろうか。
(文=布施翔悟/清談社)
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