-価値あるものを手にするには、自分で動かなくてはならないですね。
鈴木 その大前提として、現状を徹底的に否定しなくてはなりません。井上先生の本に出てくる「リセットの達人」の話がわかりやすいのですが、いつでもすぐに心をリセットできる「リセットの達人」が、離婚しようと思ったのにリセットがなかなかできなかったそうです。その人は、実は離婚したくなかったからリセットができなかったのです。
それと同じで、心の中で現状を否定できなければ、次に行けないのです。会社を辞めたいという人も、心の中で「やはりこの会社でいいか」と考えていたり、別れたいと言っていても、心の中では「別れたくない」と思っていたりします。それでは、次に進めないのです。
現状を否定してみれば、次の行動をすることができます。
井上 現状を否定するのは大切ですね。『脱バカシステム!』はとても勉強になりましたね。
「夢も目標も持たなくていい」ワケ
-すずりょうさんは『脱バカシステム!』で、「夢も目標も持たなくていい」と書かれています。
鈴木 成功した人の話を聞きすぎるのはよくありません。成功した人が、「こんな家に住んでいる」「こんな車に乗っている」といった話を信じる必要はない。他人の価値観を受け入れて苦しんでいる人が多いのです。
最初から夢や目標がなくても、自分が心地よく成長できるものを、まずは見つけていこうじゃないか、というのが本の趣旨です。プロ野球選手のイチローさんのように、子供の頃から夢や目標が明確な人はいいですが、ほとんどの人はそうではないです。
-夢や目標を持っていないことで悩んでいる人いますよね。
鈴木 バカバカしいですよね(笑)。とにかく行動していけば、「あ、これは自分に向いているかもしれない」というものに出合う可能性があります。明確な夢や目標がなくても、漠然とした方向が見えるだけでもいい。私はそれを「Xメソッド」と呼んでいます。これは井上先生の主張と、それほど違わないと思います。
井上 『脱バカシステム!』で、「具体的な目標を持たなくていい」と書かれていますが、それはある意味正しいと私も思います。たくさんの成功者の人と話をすると、意外と目標や行動計画を立てていなかったりします。長く付き合って見てみると、漠然と自分のやりたいことに向かって進んでいる人が多いですね。
逆に、真面目に目標を立てて行動計画を立てている人が、ネガティブになることもあります。なんとなくやっている人は、ブレーキをかけようがないので、どんどん進んでいって、「これ見つけた!」と、うまくいったりします。