エコが叫ばれる昨今、その意識はファッションの分野にも及んでいるようで、“リユース品”を好んで使う若い世代が増えつつある。なかでも、特に若い女性の間で話題になっているのが、主にかばんや袋物を製造・販売するサンワードのオリジナルブランド「らうらうじ-second hose-」(以下、らうらうじ)だ。
バッグや財布、ブックカバーなどの雑貨を中心に30種類が展開されている「らうらうじ」。これらの商品の特色は、なんといっても原材料に廃棄扱いとなった消防用ホースが使われている点だ。誕生当初から本社のある大阪を中心に注目を集め、テレビ番組で紹介されるようになると人気は全国に波及。現在は売り切れ商品が続出し、入荷時期が未定のものも少なくない。
なぜ「らうらうじ」がここまで受け入れられているのか。情報番組『王様のブランチ』(TBS系)のリポーターとしても活躍するタレントの山田菜々さんに、その魅力をリポートしてもらった。
消防ホースがオシャレに変身!
「素材にホースを使用している」と聞くと「デザイン的にダサくなるのでは……?」と思いがちだが、実際には意外なほどポップな仕上がりとなっている。元のホースにもさまざまな色があり、独特の縫い目がパターンとしてそのままデザインに組み込まれているからだ。山田さんも、「らうらうじ」の商品を見るなり「かわいい!」と気に入った様子だ。
「ホースって白や銀だけなのかと思っていたんですけど、カラーバリエーションが豊富だし、ホース自体もすごくオシャレですね(笑)。言われなかったら、ホースでつくられているなんてわからない。色鮮やかでどんなスタイルにもハマりそうだけど、私だったらカジュアルな服に合わせて、ちょっとしたお出かけのときに使いたいかな」(山田さん)
さすが、オシャレに敏感な20代。真っ赤なショルダーバッグを肩に掛けて、さっそくおすすめのコーディネートを教えてくれた。さわってみた感想を聞くと、以下のような返答が。
「すごくしっかりした素材ですね。女性は持ち物が多いので、バッグに物をたくさん入れると、けっこう早く壊れちゃう。でも、そんな心配はなさそうですね」(同)
実際、「らうらうじ」の耐久性や耐水性は非常に高い。それも、過酷な現場で使われることを想定してつくられた消防用ホースゆえの特徴だ。山田さんは「ワッペンとかを縫い付けたりしたら、もっとかわいくなるかも」と言うが、針はもちろん、ミシンも通らないほど頑丈なのだ。もちろん、その分ほつれやへたりは起こりづらいため、長期にわたって愛用することができる。
なぜ消防用ホースをリユースして商品化?
実は雑貨の素材として超優秀な消防用ホースだが、なぜリユースするに至ったのか。
「消防用ホースの品質は人命に直結するので規格そのものがとても厳しく、製造の過程で少しでも傷がついたり厚みや長さが違ったりすると規格外品となり、産業廃棄物として捨てられてしまいます。しかし、それではもったいない。そう考えた弊社社長の池田智幸が『この廃棄用の消防用ホースで何かつくれないだろうか』ということで、エコや社会貢献への思い、そしてホースの素材特性から、自社で製造するバッグへの転用にたどりつきました」(サンワード広報担当者)