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このような予測の下、グローバル経済で日本が競争力を維持するには、中長期的に利用の可能性が低い公共インフラの維持更新に関する投資は抑制し、首都高(例:日本橋付近の地下化検討)をはじめ、都市部のインフラは強化するのが効率的であるが、抑制対象となる地域の反発もあり、政治的な調整は容易でないにちがいない。
しかし、幸いなことに、日本政策投資銀行が2月に公表した「公共施設に関する住民意識調査」では、「施設に優先順位をつけ必要なものだけ建て替え・維持する」との回答が64%、また、「将来に負担がかからないよう施設の総量を積極的に削減する」との回答が16%あり、約8割が公共施設の量を減らすことに賛成している。このため、政治の合理的な説明があれば、国民の多くは、高速道路を含む公共インフラの維持更新に優先順位をつけることに理解を示す可能性がある。つまり、「インフラ長寿命化計画」の肝は、公共インフラの維持更新に対する優先順位にあり、そのためにも、老朽インフラの維持更新に関する選別基準の策定を急ぐべきである。
(文=小黒一正/法政大学経済学部准教授)
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