お互いに思いやりと感謝の言葉が大事
共働きであっても、関係が良好な夫婦の話も紹介しよう。
「うちの旦那さんは、以前はほぼ家事を手伝ってくれなかったのですが、ある時、料理を作ってくれた日がありました。その料理は正直なところ、別に特段おいしかったわけではなかったのですが、オーバーに『すごくおいしいよ』と褒めました。そうしたら、それからちょくちょく料理を作ってくれるようになり、そのたびにべた褒めしていたら、今では夕食に関しては週の半分ぐらい担当してくれるようになりました」(45歳・結婚歴20年)
「自分は仕事が忙しいのを理由に、ほぼ家事は手伝えていません。しかし、それについてはすごく申し訳なく思っており、仕事と家事を両立してくれている妻には感謝しかないので、意識的に頻繁に『ありがとう』という言葉をきちんと伝えるようにしています。妻が実際、僕に対してどう思っているかはわかりませんが、妻も僕に対して『いつもお仕事ご苦労さま。あんまりがんばりすぎないでね』などと言ってくれるので、僕ら夫婦は仲良しでいられるのだと思います」(35歳・結婚歴9年)
“共働き夫婦”と一括りにしてしまいがちだが、夫側の会社での仕事がどれだけ忙しいか、稼ぎはどれだけあるか、一方の妻側の会社での仕事はどれだけ忙しいか、稼ぎはどれだけあるかなど、各家庭の状況はそれぞれに大きく異なるので、「家事や育児を手伝わない夫は悪い」「夫は全体の何割ぐらい家事や育児を手伝うべき」などと言い切れるものではない。
しかし、夫婦仲が良好だという方々の声に共通しているのは、パートナーへの思いやりがあり、感謝の言葉をしっかり伝えているということだ。家事や育児をどれぐらいの割合で分担するかなどの具体的な対策ももちろん大事だろうが、それ以上に夫婦お互いがパートナーの気持ちをおもんぱかることが不可欠なのではないだろうか。
(文=昌谷大介/A4studio)