BBQは超危険?食中毒を起こすNG行為!肉のレア焼き、トングや箸の使い回し…
それというのも、かつて食中毒は大量に増殖した細菌(腸炎ビブリオ1万個以上、ブドウ球菌10万個以上)の摂取で起こると考えられていたが、近年は、わずか10~100個程度でも食中毒を起こす少量感染微生物を原因とするケースが増えている。
昨年7~9月の場合、腸管出血性大腸菌(10~100個)【編注4】とカンピロバクター(100個以上)、サルモネラ(100~1万個)の3つの細菌が原因の食中毒は、全体の67.5%を占めた。つまり、少しの細菌でも食中毒を起こす危険性が高まっているのだ。
肉中心部が桃色から白色へ変われば安全
また、「肉(ハンバーグや結着肉を含む)が中心までよく焼けているか、食べる前に肉や肉汁の色を確認する」と答えた人の割合は、40.2%にすぎない。
BBQなどで肉を強い火で焼くと、表面は食べ頃に見えても、肉の中心はまだ生ということも多い。そのような状態で肉を食べるのは非常に危険だ。
昨年の食中毒原因菌最多のカンピロバクターは、家畜やペットなどに広く分布し、牛の保菌率は数~40%、鶏は50~80%と非常に高い【編注5】。2番目に多いサルモネラの場合、市販されている挽肉の調査【編注6】によれば、サルモネラが検出された比率(陽性率)は牛挽肉1.5%、豚挽肉2.8%で、特に鶏挽肉は51.9%と極めて高い。いずれにしても、肉はなんらかの細菌に汚染されていると考えて、しっかりと焼くべきだ。
カンピロバクターは60度で1分程度加熱すると、ほぼ死滅するという。調理実験では、肉の中心部が65度になれば、ほぼ死滅していた。しかし、BBQの場で、いちいち温度計で図るのもわずらわしいし、興ざめだ。
「焼き鳥、肉団子、鶏の唐揚げなど、焼く、煮る、揚げるなどの調理をする場合、肉の中心部の色が桃色(生の肉の色)から、白く変わるまで加熱すればよい」【編注7】。
肉の中心が白くなっていれば、すでに中心温度が60度以上になっていると推測できる。
なお、特に肉や脂をつなぎ合わせた結着肉やハンバーグ、あるいはタレに漬け込んだ肉などは、細菌が中心まで入り込んでいる危険性があるため、特に注意が必要だ。