ほかにも「キャベツとベーコンのトマト蒸し」は、お鍋に野菜とベーコンを交互に入れて煮込むだけ。煮込んだ時に出たスープはそのまま飲むのはもちろん、茹でたパスタを入れてもおいしいので、ぜひ試してほしいです。
さらに簡単なものでいうと、真空パックに入れて漬けておくだけ、レンジでチンするだけのレシピもいくつか載せていますので、簡単なものからチャレンジしていってもらえればと思います。
――他に何か知っておくと便利な小技があれば教えてください。
野口 私もびっくりしたのですが、ヨーグルトにドライフルーツを一晩入れておくとフルーツが元に戻るんです。ビジネスパーソンの中には朝食を抜いていらっしゃる方もいるかと思いますが、それでは一日のうち一番脳が元気な午前中をエネルギーがない状態で過ごすことになりますので、朝はバランス良く最低7品目は食べてほしい。前夜にヨーグルトに何種類かドライフルーツを入れておいて朝食べればそれだけで数品目取れますし、あとはパンにハムをのせて、キュウリやトマトといったすぐ食べられるものをストックしておけば、時間もかからずに7品目取ることができます。
また、電子レンジを使うのもお勧めです。レンジは手抜きっぽい感じがするかと思いますが、スピードごはんでは手抜きしてもいいのです。むしろササミやかぼちゃなどは、レンジでも十分おいしく仕上がりますよ。
とはいえすべての材料が電子レンジに向いているというわけではありませんので注意が必要ですが、手早く料理がしたいなら電子レンジもうまく活用してください。レンジ使いは料理上手への近道です。
酢玉ねぎ
――今の季節、体から疲れが抜けないという人が多いですが、そんな人にぴったりの料理はなんでしょうか。
野口 この時期はジメジメしていたり、暑かったりと体がだるくなりがち。そういう時は酸を摂るのが一番です。ピクルス液をつくろうと思うと、白ワインなどいろんなものを入れたりと結構な手間がかかるのですが、実はすし酢とお酢を1:1の割合で混ぜれば簡単においしいピクルス液ができちゃいます。あとは千切りにした野菜を漬けておけば、料理にのせるもよし、そのまま食べるもよし。玉ねぎを漬けておけば話題の「酢玉ねぎ」も簡単に作れますよ。体の疲労回復にも効果てきめんです。
――やはり、食事は仕事のパフォーマンスに大きく影響してくるのでしょうか。
野口 現代日本人は、特に男性は野菜が不足しがちで、忙しい人だとなおさら。ですが、野菜を取らないと年を重ねるにつれて体がボロボロになってしまいます。集中力も低下していってしまいますし、それではいい仕事はできませんよね。いい仕事はいい食生活からつくられるものですので、無理やりにでも野菜をとって体を循環させれば仕事もうまくいくようになると思います。それに本書を一通り読めばいろんなアレンジもできるようになりますし、レパートリーも増えてモテる料理男子になれるかもしれませんよ。
――ありがとうございました。
(文=日下部貴士/A4studio)
『野口真紀のスピードごはん』 気の効いた料理がつくれない理由を「時間が無い!」「難しい! 」と言い訳していませんか? 料理家・野口真紀さんの家庭料理は、とびきりおいしいのに、手順はすごくシンプル。 そのヒミツは、おいしさを追求し、あえてムダをそぎ落としているから。 目からうろこのスピード料理を、マンガを交えてご紹介。 料理初心者でも、おもしろおかしくチャレンジできる新感覚レシピ本です。 おかず、おつまみ、ご飯もの、スウィーツなど、日々の献立に役立つ、マッハで作れる95レシピ!