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危険な食の“常識”

野菜、加熱調理で栄養価ゼロに?コンビニやスーパーのカット野菜は絶対NG!

文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター

野菜、加熱調理で栄養価ゼロに?コンビニやスーパーのカット野菜は絶対NG!の画像1「Thinkstock」より
 世界的な和食ブームや健康志向の高まりを受けて、日本古来の食が見直されています。日本で生まれ、ハリウッド女優や世界的歌手の美容法として注目され、逆輸入のかたちで人気となっているマクロビオティックも、健康を追求する食事法です。女性の約1割が多少なりとも実践しているとのデータもありますので、関心を持っている人は多いと思います。

 マクロビオティックは、今では多くの分派がありますが、玄米を主食とし、野菜や漬物や乾物を副食とするのが基本です。食材は一部ではなく全体を食べる、極力住んでいる土地の食材だけを食べる、また食材を陰性と陽性に分類してバランス良く食べるという考え方をします。

 この理念は、かなり健康的に見えます。しかし、一部疑問のある主張も見受けられます。例えば、体を冷やす食べ物や食べ方を避けるように教えています。この考え方自体は、体の免疫力を高めるために有用で異論はありませんが、果物や生野菜を控えるようにとの教えには反論したくなります。砂糖やコーヒー、唐辛子などの刺激物は、体を冷やす効果があるので、避けるべきですが、果物や生野菜は必ずしも体を冷やしません。

 冷蔵庫でキンキンに冷やした果物や生野菜をそのまま食べれば、確かに体は冷えるかもしれませんが、常温なら差し支えないはずです。それどころか、果物や生野菜を食べることによって多くの健康上のメリットがあります。

 生野菜は、サラダ以外では食べにくく、あまり量も多く取れないという意見を耳にします。そのため、煮る、蒸す、ゆでるなど、過熱して食べることを推奨する料理研究家も多くいます。しかし、野菜によっては加熱することで健康上のメリットが減少、もしくは消失してしまうこともあります。

 例えば、ビタミンCなど熱に弱い栄養素は、加熱処理によって大幅に減少します。また、酵素もほとんど失われてしまいます。従って、ミネラルや抗酸化栄養素などが中心の食材や、生で食べると毒性があるものを除き、生で食べたほうがいいのです。

 さらに、果物や生野菜によって酵素を摂れば、体の代謝がよくなり血流促進効果も期待できるので、冷えが改善されて体が温まると考えられます。

 ただし、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売られているカット野菜は、変色を防ぐために薬品に漬けられ栄養素が抜けているうえ、切ってから時間がたって酸化しているため酵素はまったくありません。決して買ってはいけない食品です。

 酵素は、空腹時に摂ると特に効果が高いことがわかっています。そこで、朝一番に果物や生野菜を食べると効果的です。

なぜ酵素が必要?

 さて、酵素を有効に摂り込むことについて述べてきましたが、なぜ酵素が必要なのでしょうか。

 それは酵素が、健康に資するさまざまな効果があるからです。例を挙げると、次のようなものがあります。

・キウイ…タンパク質分解酵素であるアクチニジンを多く含む。
・パイナップル…タンパク質分解酵素ブロメラインを多く含む。食物繊維も多く、便秘の解消効果がある
・バナナ…でんぷん分解酵素アミラーゼを多く含む。
・大根…でんぷんの分解を促進する消化酵素ジアスターゼを含む。
・りんご…ビタミン、ミネラル、食物繊維が非常に豊富。
・みかん…抗酸化作用のあるビタミンCやEが豊富

 これらは、食べた物の消化を助ける、体内が酸化するのを防止する抗酸化作用がある、また、がんなどを攻撃する細胞を活性化するといった効果が知られています。

 輸入食材はポストハーベスト(収穫後に農薬を散布すること)の問題があるため、生食が必ずしもいいとはいえないところですが、なるべく国産・有機の食材を選び、空腹時に果物や生野菜を食べるといいでしょう。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)

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