「パソコン内のファイルを印刷したかったので、その方法を従業員に確認したところ、『別館のライブラリーにパソコンとプリンターがあるので、そちらでプリントアウトできます』とのこと。暑い中5分ほど歩いて別の建物まで足を運び、ライブラリーで印刷しようと試行錯誤してもなかなかやり方がわからなかったため、別の従業員に改めて尋ねてみると、『フロント宛てにメールで送付していただければ、印刷してお部屋までお持ちします』とのこと。そんな楽チンなサービスがあったなら、最初からそういってくれればよいのにとイラッとしました。一事が万事すべてこんな塩梅で、とにかく何か質問しても、従業員によって回答が微妙に違っていて、そのたびにイラッとなりました。マニュアルが徹底されておらず、はっきりいってサービスレベルはファミレス以下です」
このほかにも、利用客を「イラッと」させる事例はさらに続く。
「このホテルの大きな売りのひとつにスパ施設があるので、楽しみにしていました。ですが、予約しておいたにもかかわらず、どういう格好で行けばいいのか、何を持っていけばいいのかなどの説明が一切なし。中級クラスのホテルでもそれぐらいの説明はしっかりしてくれますが、仕方なくフロントに電話。電話口のスタッフさんに聞いて、いざスパに向かったのですが、何だか聞いた説明が微妙に間違っていたようで、一旦部屋に戻らなくてはいけないハメになってしまいました。
その翌日も、朝食券をランチ券に交換できるとのことだったので、フロントに行って交換してもらおうとしたところ、『交換の必要はないのでそのまま朝食券をレストランでご提示ください』と教えてもらったので歩いて別館のレストランへ。しかし、レストランでは『フロントでランチ券に交換していただかないと……』と言われ、さすがに言葉を失いました。一緒に行った知人は終始不機嫌で、二度と行きたくないですね」(30代女性)
“マニュアルなし”の罠
ちなみに今回のこの雑誌のランキングは、旅行業界の専門家たちの意見に基づく順位作成のため、玄人目線で絶賛されているだけで一般利用客の声とは乖離している可能性も考えられた。しかし、トラベル系サイトの口コミ評価を確認したところ、Aは複数のサイトでいずれも平均4.5前後(5段階評価)を獲得しており、一般ユーザー目線でもかなり高い数値をマークしていることがわかった。
旅行情報誌などに携わるフリー編集者はこう分析する。
「まずこの雑誌がランキング1位にしたことについてですが、提灯記事やステルスマーケティングの可能性というのは低いですね。純粋に専門家さんたちに投票してもらい、作為的なことはせずに公平性を保ってつくられたランキングでしょう。信頼性が低い記事だとは思いません。それは各種旅行サイトの口コミ評価も裏付けており、実際に多くの人が満点評価の“5”を付けていますし、“1”や“2”といった低評価を付けているのはほんの1割未満の方ですからね」