亜紀美さんは彼とは別れたが、心の傷はなかなか癒えない。
「なんだか人が信じられなくなって、もう誰が来てるともわからない合コンには行きたくないです。行くとしたら、友達が主催する少人数の合コンかな……といっても、しばらく行く気にならないけど」
●合コン仲間は選べ!
合コン主催が趣味の主婦・幸実さん(仮名、30代)は月に1回程度、独身男女数人を居酒屋に集めて合コンを催している。
「ボランティア縁結び」を始めて数年の幸実さんは、「合コンに友達と誘い合わせて来る子って多いけど、一緒に来る友達は絶対に選ぶべきよ!」と忠告する。
「いつもは合コンに一緒に行く友達って、それなりに選びますよね。冬になるとクリスマスやお正月デートに向けて焦っちゃうせいか、普段ツルまないタイプの子と参加して、しくじっちゃう人がいるんです」
同行する友達でしくじった悲惨な事例を、2つ紹介してみよう。
【みゆきさん(仮名、30代)】
「一緒に行く予定の友達がドタキャンして、ちょーっと口の軽いA子と一緒に合コン行ったんです。それが大失敗でした!
合コンでタイプの男子の隣をキープしたら『絶対譲れない彼氏の条件ってどんな?』って聞かれたんです。『犬を飼ってるから動物好きな人がいいなぁ』なんて、無難なコトを言っていたわけですよ。そしたら、空気読めないA子が大声で言ったんです。
『うっそぉー、男は絶対に正社(正社員のこと)じゃなきゃダメ! って、いっつも言ってるくせにぃ!』
一気に盛り下がりましたね。クリスマス前でどんな焦っていても、同行する友人は選ばなきゃいけないって骨身に染みて学習しました」
その場には、契約社員や自営業の男性もいた。彼女がメアドを聞かれることもなくその夜の合コンを終えたのは、言うまでもない。
【光輝さん(仮名、20代)】
「俺、40代の人妻と不倫中なんですよ。彼女とはイブを一緒に過ごせない。それに、不倫なんて卒業してたくて合コンに行ったんです。でも一緒に行ったB介がマズかった。ウケるためなら自虐は当然、笑い取るなら裸踊りでもしそうなやつなんです。合コンでイマイチ盛り上がらないなー、って感じになった時、B介の野郎が爆弾落としやがったんです。俺を指さして
『こいつさー、熟女の人妻と不倫中なんだよねー。やばくない? 誰か救ってやってよ』
って。B介はウケると踏んだらしいけど、女子は普通にドン引き。俺とイイ感じで話してた子も、さっさと席替えちゃった!」
光輝さんとB介さんが彼女を見つけられなかったどころか、場は悲惨なほどに盛り下がってしまった。後でB介さんに猛抗議したものの「ごめんなー。でも俺って、盛り上げるためならなんでもやっちゃう体質だし」と言うばかり。(いや、まず人妻との関係を清算してから合コンに行くのが正道なのでは……)
みゆきさん、光輝さんは口を揃えてこう言い放つ。
「一緒に行く友達は選ばなきゃダメ!」
日ごろのぶっちゃけ話や女子会のノリをそのまま合コンに持ち込む友達は、要注意なのだ。
●プロが目撃したスゴイ男女
多くの男女の出会いを見てきた、結婚相談所の職員と前出の合コンプロデューサーにも、実際に見たクリスマス前のエピソードを聞いてみた。
元結婚相談所職員・香奈恵さん(仮名、30代)が忘れられないのは、次のような出来事だ。
「男女各20人くらいを集めたパーティを定期的に開催していましたが、秋~冬は盛況でしたね。でも、こういう言い方はなんですけど、変わった方は一定数いらっしゃいまして、特に男性の場合、特定の職業の方に多いですよね。その職業に関してはここでは言えません。巷で『○○は変人が多い』と言われる社会的地位の高い職業、ということで勘弁してください。