今回は会社へのクレーム騒ぎにまでなったスゴイ事例を、一つだけお話ししましょう。
その日は、クリスマス風立食パーティ形式のお見合いを開催していました。クリスマス風といっても、会場の中央にチキンやプチケーキをのせたテーブルと、クリスマスツリー程度の演出なんですけどね。
その男性Cさんは女性など見向きもせずに、食べ物の置いてあるテーブルのそばを離れないんです。どうしたのかしら? と思っていたら、
『唐揚げがなくなったのに補充がない。どういうわけだ!』
って、すごい剣幕でスタッフに文句をつけてきたんです。厨房スタッフに唐揚げの追加をお願いしたんですが、時間がかかってしまいまして、結局Cさんは唐揚げを待ってずーーっとテーブルのそばに立ったまま、女性とはお話もしませんでした。
パーティの後、Cさんから
『唐揚げがなかったから、まったく女性と話ができなかった! 主催者の不手際だ! 参加費用を返してくれ!』
というクレームが会社に入ったんです。
一応参加費はお返ししたんですけど、その後はCさんからパーティ申し込みが入っても、『満席』を理由にお断りしていました」
●いつまでもカップル成立できない「常連さん」
前出の真季子さんにも話を聞いてみた。
「私が主催する合コンには、『常連さん』が何人かいらっしゃいます。クリスマスやお正月に向けて、そういった常連さんの参加頻度もぐっとアップするんです。通常なら常連さんはありがたい存在なんですけど、合コンの常連さんというと、つまり、何度参加してもカップル成立しないという……。
皆さん、根は良い方たちなんですけど『どうして自分はカップルになれないんでしょう?』『自分がカップルになりたかったXXさんは、誰の名前を書いてたんですか?』と、お電話で何度も尋ねられるのには困ります……」
真季子さんはさらに、次のような事例も語ってくれた。
「合コンに父兄同伴で来られる方もいるんです。過去に、40歳以上限定の合コンに、お母様が付き添って来られたこともありました。でも、父兄の方も一緒に参加されても、盛り上がらなくなりますので、今では付き添いの方には近所のカフェを紹介し、そちらで待機していただく規則にしました。
こういった方はレアケースですけど、男女ともに常に一定数はいらっしゃいます。増えているという実感もなければ、減っているという感じもしません。確実に言えるのは、父兄同伴の方がカップルになった例は、少なくともうちではないということだけです」
合コンやお見合いパーティは貴重な出会いの場。そこには「カップルになりたい」という同じベクトルを持つ男女が集まってくる。当然、恋人に出会う確率は、通常の場よりも高くなるだろう。
けれども、悲惨な失敗や爆弾キャラのリスクが混じっていることも否定できない。
月並みな言い方だが、カップルになるためには、人を見る目が必要であり、異性を引きつける魅力が必要なのは、合コン以外の場と同じだといえそうである。
(文=玉置美螢/ライター)