今も昔もトレンド発信源の筆頭格といえば、若者カルチャーである。そして流行ともなれば、ビッグマネーが動くのは自明の理。当然そこにはビジネスチャンスが眠っていたり、株投資で“爆上げ”が期待できる銘柄を読み解くヒントになったりする。つまり、若者カルチャーを知っておくことは、ビジネスパーソンとして必要不可欠であるといっても過言ではない。
そこで今回は現代の若者の代表として現役女子大生を招待し、彼女たちに「今ハマッているもの」「友達の間で流行っていること」などを語ってもらう座談会を開催。この会を「JDトレンダーズ」と命名し、女子大生たちの視点から現在の若者カルチャーを読み解いていこうと思う。
今回のテーマは、ファッションやメイクといったオシャレ要素。さっそく現役女子大生たちのリアルな声をお届けしよう。
【女子大生座談会の動画はこちら】
ファッション費用は毎月5000円前後
――みなさんは毎月、どれぐらいファッションにお金をかけていますか? さまざまな媒体で発表されている調査結果を見ると、二十歳前後の女子は毎月5000円前後をファッションに使うというのが主流のようですが。
ゆか うん、それぐらいだと思う。最近のコはそんなに服とかにお金使わないんですよ。
かほ GUとかH&Mあたりで済ませちゃうってコも多いもんね~。
――いわゆるファストファッションブランドだけでコーディネートしちゃうコも少なくないと。では逆に、ルイ・ヴィトン、ブルガリ、グッチといったハイブランドのアイテムが欲しいといった願望は?
まい ほとんどないです!(笑)
ちなつ ちょっとは欲しいとは思うけど、高いんでいいです(笑)
――ちなみに90年代頃の若い女のコたちは、ハイブランドのバッグを持つことがステータスのようになっていたんですよ。
まき 周りに持ってるコもそんなにいないんで、そこまで憧れもないですね~。
えりな どのブランドがいいとか、高いものがいいというよりは、単純にかわいいデザインのものが欲しいんですよ、みんな。すごく自分の趣味に合ったものなら多少高くても買うこともあるし、でもやっぱりかわいくて安ければもっといいって感じです。
――「お金があまりないから節約志向でハイブランドに目も向けない」というよりは、そもそも根底の価値観が変わってきているようですね。では実際、どんなファッションアイテムが流行っているんでしょう?
ゆか 今年はウサギがけっこう流行ってるっぽいですよ。
ちなつ ウサギの耳が付いているパーカーとか、ウサギをモチーフにしたアイテムがけっこう出ているよね。
まい さっきも渋谷にいたよー、ウサギ耳パーカーのコ。
かほ そうそう、確かに原宿とか渋谷ではけっこう見る。
ゆか あとウサギ目メイクもキテるよね。
えりな うんうん。下まぶたに赤とかピンクのシャドウを入れるんだよね、あれかわいい~。
まき 女子ウケいいよね。男のコたちからはどう思われてるかわからないけど。
ゆか 男の人もああいうかわいい系のメイクって好きじゃない? 守ってあげたくなるみたいな。
えりな 私、ファー素材の帽子も集めているんだけど、白のファーアイテムもけっこうウサギっぽいよね。
ファッション誌は買わずスマホで
――やっぱり静かなウサギブームが来ているみたいですね。ちなみにこういうかわいい系とは対極の位置にあるのが、ギャルファッションですが、最近ギャルっています? ここ数年でギャルカルチャーの衰退が叫ばれていますが。
ゆか ほとんどいない。ちょっとギャル要素が入っている服とかメイクのコはいるけど、「完全にギャル!」ってコは友達にもいないし、街歩いててもほとんど見ない。
かほ 私たちが中学、高校ぐらいのときにはもうすでにギャルっていなかったんで。
まい 少なくとも肌が黒いギャルさんはいなかった。
――90年代に社会現象ともなっていたガングロに制服&ルーズソックスを履いたギャル文化はほぼ壊滅状態だと。
えりな でも全然ギャルとは関係ないですけど、私たち、このあいだ高校の制服着て遊びましたよ(笑)。
まき 私とちなつとえりなの3人で、JKやってきました。
かほ 制服でどこ行ったの? ディズニー(ランド)とか?
ちなつ ううん、学校の教室をモチーフにした居酒屋さんがあって、そこに行くときに3人でノリで。
――ディズニーランドなどにJKコスプレをして行くコも増えてますもんね。そういうイベント時のファッションという意味では、JK制服は一ジャンル化しているのかもしれないです。ところで、みなさんはどうやってファッション情報を仕入れているんですか?
ゆか 好きなモデルさんのインスタ(インスタグラム)とかツイッターとかで、「あ、これかわいいな」ってチェックしたりですかね。
ちなつ あとはウェアっていういろんな人のコーディネートがのっているアプリ(サイト)があって、そこで自分がしてみたいコーデを探したり。
――ファッション誌は読まないんですか?
かほ 本屋さんで立ち読みしたりはしますよー。
まい あんまりわざわざ買ったりはしないですね。
ゆか でもっていざ服を買うときはメルカリを使ったり。フリマアプリですね。
ちなつ そうだよね。お店に行って買うことももちろんあるけど、全部スマホで完結しちゃうこともある。
――なるほど、ありがとうございました!
今の女子大生たちは、ファッションにおいても情報ソースは主にスマホに頼っているということか。また、10年、20年前と比べるとファッションに費やす予算が減っているだけでなく、「このブランドだから買う!」という志向から、「かわいいものなら買う!」という志向に変化しているようだ。
(文・動画製作=昌谷大介/A4studio)