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トイレのハンドドライヤーやハンカチは菌まみれで危険、は本当?正しい手の拭き方は?

文=森井隆二郎/A4studio
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 とはいえ、ハンドドライヤーのトレーに水が溜まっていたり、風の吹き出し口にぬめりが発生していたりすると、菌で汚染されている可能性は高いと思います。周りの壁も水滴が飛んで濡れているかもしれませんし、そういった箇所に触れるべきでないのは事実といえるでしょう。それはつまり、ハンドドライヤーが悪いというより、施設側の管理の問題だと考えられます」(同)

 ハンドドライヤーを使用する際は極力、余計なところに触れてしまわぬよう手を慎重に出し入れするのが好ましいということか。

人間とハンドドライヤーの相性は状況次第

 それでは、ハンドドライヤーを使用することで衛生面に問題が起きやすいのは、具体的にどのようなケースなのだろうか。

「病院はもちろん、菌に対する衛生レベルを他の環境よりも上げなくてはなりません。免疫力の落ちている方が多く集まっていますので、ハンドドライヤーによる菌の飛散でも感染する恐れがあります。

 食品を扱う施設の場合も、水滴が食材に飛んでしまいそうな位置にハンドドライヤーを設置するのは不適切。万一にも食中毒を起こしてしまったら元も子もありません。

 微生物学の観点でいうと、もっとも衛生的なのは使い捨てのペーパータオルで手を拭くことです。未使用のペーパータオルにはほとんど菌が付着していないため、拭いた手に菌が移ることはありません。手を30秒ほどしっかり洗い、ペーパータオルできちんと拭いてからアルコール除菌すれば手洗いとしては完璧ではないでしょうか」(同)

 また、手に付着する菌の数を比べると、日常的に使用しているハンカチ(布タオル)とハンドドライヤーとでは大きな差がないとのことである。

「ハンカチ(布タオル)も、洗濯して日光で干したばかりのものならペーパータオル同様に清潔なのですが、一度でも手を拭いたあとに濡れたまま放置すれば菌が増える時間を与えてしまいます。少なくとも一日に一回は交換したほうがいいですね。

 結局、ハンカチ(布タオル)の状態によってはハンドドライヤーで手を乾かしたほうが清潔なこともありますし、施設側がハンドドライヤーの管理を怠っていたら逆のことがいえるわけです。一面的な見方しかせずに『ハンドドライヤーを使ったらどうなるのか?』などと白黒つけたがる方々も多いですが、潔癖症すぎても無頓着すぎてもいけないのです」(同)

 ハンドドライヤーは確かに菌を飛散させるが、決してリスクが高いわけではない。水分を定期的に拭き取り、清潔な管理下で使うよう心がけていれば、やはり便利な機械といえるだろう。
(文=森井隆二郎/A4studio)

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