気の遠くなるほど長い飛行機移動…こんなに楽に過ごせる!時差ぼけを防ぐ究極の方法!
概日リズム
さて、どちらが楽なのでしょうか。常識君のコメントです。もしも、24時間連続して覚醒できるのであれば、極論君のような一睡もしない方法も十分に機能します。また、非常識君のように、昼から12時間の睡眠を連続して楽しむことができる人は、機上で寝て過ごすことで時差ぼけを軽減できます。
“常識君”が追加します。まず、「概日リズム」というのがあります。生物に備わっている時計です。これは24時間周期を刻みます。ですから、寝ずに24時間過ごしても、また昼から12時間眠っても、比較的長く暮らした場所のリズムを体は覚えています。ですから、この「概日リズム」を移動先の地のものに変更することが得意な人が、「時差ぼけになりにくい人」なのです。
そして、この「概日リズム」を変更しやすい方法が人それぞれで異なっています。ある人は極論君タイプで寝ずに過ごすことが合っているでしょう。また、ある人は非常識君のように昼からひたすら寝ることが合っています。
そして基本的に極論君と非常識君の極端な意見の間に、人それぞれの「概日リズム」を変更しやすいパターンがあります。これはやってみないとわからないのです。基本的に飛行機は多くの方が移動先で「概日リズム」を変更しやすいように夜の設定(照明を暗くする)や食事の提供をしています。しかし、それも多くの人に良いと思われる対応ですので、実は個人個人が自分にあった「概日リズム」の変更方法を会得することが大切です。
ひとつ言えることは、「概日リズム」は基本的に朝セットされるのです。日を浴びてセットされます。ですから、移動先では少々眠くても、朝はしっかり起きて朝日を浴びることが大切です。
極論君の寝ない作戦、非常識君の寝て過ごす作戦、どれも合っている可能性があります。たくさん時差を伴う移動がある人はいろいろと試してください。また、希にしか海外に行かない人は、あまり難しいことは考えずに、朝から日を浴びて仕事や旅行を堪能すれば、自然と現地の「概日リズム」に体が合ってくるのです。極論君も非常識君も常識君も貴重な意見をありがとうございました。
(文=新見正則/医学博士、医師)