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○○横丁の危機!若者大挙でトラブル続出…ブームで雑然さ消失し「ファミレス化」

文=鉾木雄哉/清談社

 そもそも、横丁の居酒屋は客同士がコミュニケーションを取りやすいが、見知らぬ間柄にもかかわらず、いきなり隣の客に話しかけるのは時として「マナー違反」になる。そのため、客同士のトラブルも頻発しているという。

 いつもの顔ぶれで、いつものように静かに酒を呑む……。そんな雰囲気を愛する古くからの常連客の足が、観光客のような若者たちが押し寄せるために徐々に遠のき、横丁から離れつつあるのである。

「ファミレス化」するハモニカ横丁

 また、新型横丁の登場によって、別の問題も起きている。それがよくわかるのが、吉祥寺駅前にある「ハモニカ横丁」のケースだ。

 ハモニカ横丁は、戦後から続く由緒正しい旧型横丁。飲食店だけでなく、さまざまな店が100軒ほど密集しているディープなエリアである。細々と営業する昔ながらの居酒屋がある一方、平成になってからオープンした若いオーナーのおしゃれな飲食店も増えていて、その雑然とした雰囲気が地元の人に愛されてきた。

 ところが、横丁ブームによってメディアに取り上げられ、吉祥寺の観光名所化したことで大きな変化が起きている。

 井上氏によると、「ブームの影響で横丁の家賃が高騰し、各店舗の経営を圧迫していて、新規出店した店の中にはそれなりに客が入っていても経営が成り立たず、閉店するケースが増えている」という。そして、その結果起きたのが、ハモニカ横丁の「均質化」である。

「そうした店が閉店した後、そこに新たに出店するのは、横丁のなかでも成功しているおしゃれな人気店の経営者です。しかも、そうした経営者は、次も似た感じの店をつくる。結果的に、同じような店がチェーン店形式で増えていき、横丁内の店が均質化する……という現象が起きています」(同)

 横丁は、外観や雰囲気、メニューに統一感がなく、個性的かつ雑多な店が集まっているのが魅力だった。しかし、現在のハモニカ横丁は、観光地化と資本力のある経営者の参入によって似たような店が増え、いわば「ファミレス化」が進行しつつあるのだ。

 横丁が脚光を浴び、客層が若返ること自体は悪いことではない。とはいえ、横丁がブーム化したことで失ったものも大きいのである。中高年の憩いの場としての横丁は、この先、どんどん少なくなっていくのかもしれない。
(文=鉾木雄哉/清談社)

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