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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

「安いジェネリック医薬品はトク」への根本的疑問…先発品と「まったく同じ」は誤解?

文=新見正則/医学博士、医師

 極論君が質問します。

「有効かどうかは、認可される段階で確認されていないのですか?」

 非常識君が答えます。

ジェネリック医薬品が認可されるには、生物学的同等性試験をクリアすればいいのです。健康人でジェネリック医薬品と先発薬を飲んだときに、主成分の血中濃度の変動が同じなら認可されます。つまり、他のいろいろな要素は一切斟酌されていませんし、ましてや有効性に関しては論じていません」

 極論君がコメントします。

「ジェネリック医薬品と先発薬が同じでないことはわかりました。しかし、日本の医療費は切迫しています。ですから、安い薬剤を使用したほうが医療経済のためと思っています。ですから、ジェネリック医薬品で遜色ないときは、そちらを使用したいと思っています」

 常識君のコメントです。

「つまり効果が同じで相当安いジェネリック医薬品が流通すればいいのです。決してジェネリック医薬品を否定するわけではありませんし、むしろ推進すべきと思っています。しかし、ジェネリック医薬品が先発薬とは実は別物だと知っていて無理に勧める薬剤師の先生もいるでしょうし、もしかしたらまったく同じだと信じ込んで勧めている薬剤師の先生もいるかもしれません。大切なことは患者さんが正しい医療情報を持って、そしてできる限り薬剤は減らして、そして同等の効力であればジェネリック医薬品を使用することだと思っています」

 今日はなんとなく非常識君に軍配が上がりそうな内容でした。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医師、新見正則医院院長

新見正則/医師、新見正則医院院長

外科専門医 /消化器病専門医 /消化器外科専門医 /消化器内視鏡専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、外科医として研鑽を積む。大学病院や関連病院で診療にあたるほか、英・オックスフォード大学にて博士課程を修了。
新見正則医院 公式サイト

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