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室内禁煙やがんワクチンに反対するリテラシーの低さ…がん予防対策は喫緊の課題!

文=中村祐輔/シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センター副センター長
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がん患者の半数が治癒可能になる時代②~がん検診率の向上の画像1有望視されるがん検査とは?(depositphotos.com)

 がんの治癒には早期発見、早期治療が重要だが、肝臓がんや膵がんのようにステージ1でも10年生存率が30%のがんもある。これらのがんに対しては、もっと研究が必要だ。それにしても、レストランでの受動喫煙を減らすことに反対する人たちや、子宮頸がんワクチンに反対する人たちも多く、日本のがん予防対策はかなり大変だ。

 これらは、がん死亡を減らすには不可欠だが、利権や感情論が予防を難しくしている。科学的なリテラシーの不足が、客観的な議論の妨げとなっている。ワクチンの場合、社会全体の利益と個人の不利益の対立構造になっているが、前者の利益が後者に比して歴然と大きい場合、国は全体の利益を優先しつつ、個人の不利益を科学的に最小限にしていく責任がある。しかし、こんなまともな議論さえできないのが現状だ。

がん全体の10年治癒率を20%高めるために

 また、がん全体の10年治癒率をあと20%高めるには、これらの予防対策に加え、いくつかの具体的なアクションが必要だと思う。そのアクション項目を下に列記した。

がん患者の半数が治癒可能になる時代②~がん検診率の向上の画像2

 これらのアクションは個々の研究者の目標ではなく、国が組織として取り組むべき課題だ。数百万円から数千万円の研究費ではなく、国の仕組みとして確立するために、数百億円~数千億円単位で進めていかなくてはならない。

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