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朝、何を食べたかで意思決定が変わる…低炭水化物・高タンパク質な食事で寛容さがアップ

文=ヘルスプレス編集部
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脳内のチロシンの濃度が高くなると不公平な決定でも受け入れやすい!

 この結果の意味はなんだろうか。

 Park氏は「高炭水化物を摂った後は、チロシンというアミノ酸の血中濃度が低くなる。チロシンは脳内の報酬系に関与するドーパミンなどの神経伝達物質の産生に重要であり、チロシンの増減は意思決定の変化に関連する」と説明する。

 神経学の専門家である米ノースウェル・ヘルスのLuca Giliberto氏は「社会的交渉を食事で管理する方法に結論を出すことは難しい。だが、今回の知見は食事内容がドーパミンと関連する事実を示唆している。低炭水化物・高タンパク質の食事を摂れば、脳内の報酬系を増強するチロシンの濃度が高まり、不公平な決定でも受け入れる可能性が高まる」と話す。

 Park氏によると、食物代謝には性差があるため、この研究は男性だけを対象とした。だが、高炭水化物を摂った人でも、不公平な提案を受け入れた人もあったので、朝食の変化への反応には個人差が見られたという。

 ただし、Park氏は「バランスのとれた食事をすることが重要であり、ひとつの栄養素だけを偏って摂取するべきではない」と強調している。

昔ながらの日本の朝ごはんは、日本人の寛容さの基?

 この研究結果を知って、ハタと思い当たることがある。昔ながらの一汁三菜の朝ごはんだ。

 ご飯、味噌汁(豆腐、わかめ、あさり)、焼き魚、ジャコおろし、おひたし、酢の物、納豆、生卵、漬物、梅干し、焼き海苔・・・。低脂肪、低カロリー、高タンパク。主食、主菜、副菜の栄養バランス。素材の風味・滋味・旨味を生かした味付け。

 特に、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維の消化を促す酵素が多い納豆・味噌・醤油・食酢・漬物などの発酵食品の豊富さは比類がない。刺身などの生食もふんだん。煮る・炊く・焼く‥蒸す・茹でる・合える・揚げる。食材を選ばないフレキシブルな料理法の多彩さは和食ならではの真骨頂だ。

 ただし、和食の唯一の欠点は、煮物などの味付けに砂糖やみりんを多く使ったり、味噌汁やおかずに塩分が多めになる点だ。糖分と塩分をうまくコントロールすれば、和食は文字どおり理想的な完全食に違いない。

 リューベック大学の研究結果によれば、低炭水化物・高タンパク質の食事は、脳内の報酬系を増強するチロシンの濃度を高めるので、不公平な決定でも受け入れやすい事実を示した。

 そのような観点から和食を見れば、和食こそが「寛容」という精神性を培ってきた日本人らしさを如実に表現する食文化であることに気づかされる。
(文=ヘルスプレス編集部)

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