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進化型シェアハウスがブーム?完全個室と多彩な交流スペースで「SNSのリアル版」

文=森江利子/清談社

 他人と暮らしながらもプライバシーは守られているというが、プライバシーが大事なら、最初から1人暮らしをすればいい。わざわざ他人と暮らす理由がピンとこないのだ。

「ミレニアル世代の若者たちは、“家族”と“個”の中間を求めているのではないでしょうか」と分析するのは、社会学者の新雅史氏だ。

「かつての日本社会では、家族と一緒にひとつ屋根の下で暮らすのが当たり前で、そのほうが経済的にも合理的でした。しかし、ある世代より下の世代にとっては、家族化するよりも個人で住むほうが楽で、コスパもいい。そんなパラドックスが生まれ始めたのです」(新氏)

 それは、統計にも表れている。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50歳まで一度も結婚したことがない人は15年に男性で4人に1人、女性も7人に1人。生涯未婚率は過去最高を更新している。

「結婚して家族を持ってこそ一人前」といった昭和的な価値観が薄まり、特殊離婚率は年々増加して30%を超えている。他人と暮らすストレスに加え、今の日本では家族をつくりたくても経済的・社会システム的な理由で困難な部分もある。そんな事情から、“家族”よりも“個”を選ぶほうが合理的というわけだ。

 ただし、ややこしいのは、彼らがコミュニティを完全に拒否しているわけではないことだ。

「以前の住まいのあり方は、『結婚して家族と住む』『1人で暮らす』のどちらかでした。いわば“家族”と“個”の2つの選択肢しかなく、そのために苦しむ人が多かった。ミレニアル世代は、そんな上の世代の苦しむ姿を反面教師にすることで、新たな住まいのかたちを選び始めたのでしょう」(同)

 確かに、従来の1人暮らしはプライバシーは守られる一方でコミュニティの機能はないに等しかった。そこを補完したのがシェアハウスだが、SAにはより“家族”と“個”の中間的なコミュニティが存在する。

 実際、SAの住人に話を聞くと、「入居者同士は親戚のような関係性だ」と語ってくれた。

都内の住宅地に“中年版シェアハウス”が誕生か

 新氏は、「シェアハウスやSAのような住まいのかたちは、今後どんどん増えていくだろう」と予測する。そこにあるのは、若者を取り巻く厳しい社会状況だ。

「今の若者たちは、将来的に賃金が上がるという明るい見通しがない。また、将来的に3人で1人の高齢者を支えなければならなくなるため、逆に出ていくお金は増える。『住まいにコストをかけたくないし、かけられない』という経済的状況があります。

 年齢とともに出世して賃金が上がり、結婚してマイホームを持つといったロールモデルは、とっくの昔に崩壊している。それなら、住まいにもシェアハウスやSAなどのさまざまな選択肢を持つことで、『生きやすさ』を獲得するしかありません」(同)

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