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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

朝食にパンと砂糖入りコーヒーは体に毒?

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

小麦粉や砂糖を朝食に摂ると、糖尿病リスクが増大

 もうひとつ、考えなければならないことがあります。それは、起きぬけに白い小麦粉や砂糖などの単純炭水化物を摂った場合、体の中でどんな事態が起きているかということです。それらの食べ物は、確実に血糖値を急上昇させます。すると、体はそれに対応して、大量のインスリンを出すことになります。

 このことに関しては、本連載で何度も言及してきましたので、ここでは繰り返しませんが、結果として体は大きなストレスを受けてしまいます。そのようなことが繰り返されると、やがてインスリンは出にくくなり、血糖値を下げることが難しくなって糖尿病に近づくことになります。

 また、インスリンが大量に出てしまうと、体はそれに反応して副腎からストレス対抗ホルモンを分泌します。そしてそれが連続すると、今度は副腎が疲弊してしまうのです。それが「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」という状態です。

 実は、この副腎疲労に陥っている方が確実に増えています。しかし、日本では、この副腎疲労というものが、まだ一般的に知られていないため、それと気づかずに過ごしている方が多数いらっしゃると推測されます。

 アメリカ・アリゾナ州に在住する医師、ジェームズ・L. ウィルソン氏の著書『医者も知らないアドレナル・ファティーグ ―疲労ストレスは撃退できる!』(中央アート出版社)によると、副腎疲労の主な症状として以下のような例が挙げられています。

「朝起きるのがつらい」
「疲れが取れない」
「塩辛い食べものが無性に欲しくなる」
「倦怠感(エネルギー不足)」
「性欲の低下」
「ストレスに対処できない」
「病気や怪我、外傷(トラウマ)から回復するのに時間がかかる」
「頭がクラクラする」
「人生のすべてが虚しい」
「PMS(月経前症候群)の悪化」
「軽度のうつ」
「記憶があやふや」
「カフェインがないと、仕事ができない」

 これらを見て、思い当たるフシはないでしょうか。

 すでに本連載の中でも書きましたが、大量のカフェインを含んだ「エナジードリンク」が売れる背景には、こうした実情があるということではないでしょうか。

 何も考えずに、ただテレビのCMを見て無意識的に食べたもので、自分の体がダメージを負っていたとしたら、とんでもないことです。しかし、それは現段階では証明はできません。売り上げがとれなくなっているファストフード業界が、苦肉の策で朝食時間帯の売り上げアップを狙っていることに、気づくべきでしょう。また、そのことに協力したり、加担したりする必要があるのかどうかについても、考えてみるべきでしょう。

 本当に朝、ファストフードを食べる必要があるのかどうかを考えてみてください。そして、思い切って「朝は果物だけを食べる」と決心する方が増えることを願っております。同時に、昼食や夕食では、きちんとした栄養素を摂取できる食事を実践されることも併せてお勧めします。そのためには、「家庭料理のシステム化」が必須条件であることも、申し上げておきましょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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