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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

アレルギー持つ子激増、パンやラーメンの輸入小麦が原因?厚労省、国内で禁止の農薬使用を放置

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

パンやうどんもアレルギーの要因に

 もうひとつ、子供たちのアレルギーに関連があるかもしれないと疑われるのが、小麦に含まれている「グルテン」と呼ばれるたんぱく質です。正確にいうとグルテンは、小麦タンパクの一種であるグルテニンとグリアジンが、水を介してつながってできるのですが、これがアレルギーの原因物質になるのです。

 最近は、パンやうどんをつくりやすくするために、グルテンの含有量が多くなるように品種改良された小麦がたくさんあります。

 今や、日本人は全体としてみると、米より小麦の消費量のほうが多くなってしまいました。筆者はパンもうどんも好きですから、時々は食べます。しかし、圧倒的に米を食べる回数のほうが多いです。それも、白米ではなく三分づきや玄米です。

 多くの日本人が、パンとコーヒーを朝食にしているようです。それは大人たちだけではなく、子供たちも同じような朝食をとっているということでもあります。それではアレルギーが増えることも当然といえます。アレルギーは、一世代だけの問題ではありません。アレルギーを持っている親からは、アレルギーを持った子供が生まれる確率が高いのです。

 そのような現状に鑑み、食品メーカーも子供がアレルギーを持っていることを前提とした商品開発をしていて、アレルギー反応を起こさない食材だけを使って製造したカレールーが販売されています。

 今現在、アレルギーを持っている子供や、その親御さんにとっては、ありがたい商品であることは間違いないでしょうが、そもそもこのような状況は不自然だということに気づく人の数は、まだまだ少数だと思われます。

 私たち日本人は、現在、自分たちが食べているものが「何」であるかについて、よく考えてみる必要があるのではないでしょうか。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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